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2003年12月26日 05:53 AM 更新
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2003年の携帯業界を振りかえる(2/3)
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好調auは、どこまで伸びる?
2003年の業界地図は、大きく変動した。3Gが好調なauが、ついにドコモの牙城を突き崩し、11月は月間純増シェアの7割を取るにいたった(12月5日の記事参照)。
当初は3Gを名乗らずに第3世代に移行。3G比率が7割を超えた頃から、「第3世代のau」を強力にアピールし始めた。ドコモ幹部からも「au買うのはちょっと待って」という発言が飛び出すなど、ドコモはかなり危機感を持っている。
KDDIの好調を支えているのは、一つは高速大容量の3Gを生かした「着うた」などのコンテンツ(9月12日の記事参照)。対応端末は11月末で619万まで増えており(契約者の約40%)、ダウンロード数も順調に増えている。二つ目は、斬新なデザインに支えられた端末商品力だ。2003年のau端末は、黄色や緑など斬新なカラーリングが、まず目を引いた。そして11月に登場した「INFOBAR」で、デザイン志向という新しいあり方を提案した。
三つ目は、割安感のあるパケット料金だろう。月額1200円の「パケット割」を強く訴求したほか、11月には月額4200円定額制の「EZフラット」を導入するなど、他社に先駆けて魅力的なプランの提供を続けている。
各携帯キャリアの単月シェアの推移(12月5日の記事参照)
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2004年は“3G”の勝負へ
2003年は3Gの助走の年だった。2004年は、各社3Gで勝負する年になる。
ドコモは、1月末〜2月に発売する新型FOMA「900i」シリーズ5機種で勝負に出る。発売したばかりの505iSではなく、900iを主力に、3Gへの世代交代を図っていく。同社立川敬二社長は、2004年3月末のFOMA契約者数を200万、そして「2006年頃には(契約者数の)半分がFOMAになる」としており(12月4日の記事参照)、2004年から急速にFOMAへシフトしていく方針だ。
KDDIは既に3G契約者数が1100万を超え、比率は7割に達している。現在のところ、インフラ面での大きな変更は予定されておらず、2004年の戦略は、CDMA 1X WINの普及と新サービスにかかっている。1X WINが利用している(7月17日の記事参照)CDMA2000 1x EV-DOという通信方式は、さらなる拡張も可能だ。3Gでの大幅リードをどう生かすかが、2004年の見どころだ。
ボーダフォンは、2004年の今度こそ3Gを普及させるしかない(11月14日の記事参照)。J-フォンからボーダフォンに変わり、方針が多少混乱しているのは事実。2G向けの新サービスなどは実質的に凍結している状態だ。2Gではインフラをいじることなく、端末の機能で勝負するしかなく、それが200万画素カメラ端末やテレビ内蔵端末の早期投入につながっていると見る。画期的な新サービスは3Gで提供するしかなく、どうやって早期に3Gを普及させるかが注目される。
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[斎藤健二, ITmedia]
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