本当になぞるだけでOK?――「Swype」で文字入力してみた:ふぉーんなハナシ
一筆書きのようになぞって文字を入力できる「Swype」が、Samsung電子の海外向けAndroid端末「Samsung GALAXY S」に採用されている。画期的な入力方式に思えるが、本当になぞるだけで正確に入力できるのだろうか。
Samsung電子が5月末から欧州や北米、アジア地域での発売を予定している(日本での発売は未定)Android端末「Samsung GALAXY S」は、Android 2.1やスーパー有機EL、1GHzプロセッサを搭載するなど、高いスペックが特徴だが、“文字入力方式”にも注目したい。Samsung GALAXY Sは「Swype」と呼ばれるタッチパネル用の文字入力方式を採用しており、画面のQWERTYキーボードを一筆書きのようになぞるだけで文字を入力できる。このほか、Windows Mobile 6.5搭載の「OMNIA II」もSwypeを利用できる。
筆者もSwypeで入力するシーンの動画を見たことはあるが、例えばQWERTYの1列目をなぞったら、「qwertyuiop」すべてが入力されるのではないか? と初歩的な疑問を抱いていた。そんな半信半疑な印象を持ちつつ試してみたところ、そのカラクリが分かった。
例えば「I love you」と入力する場合。QWERTYキーボード上をなぞると、「l」の隣にある「o」や、「v」の隣にある「g」にも触れてしまうが、Swypeでは入力した文字の中から最適な言葉を判断して変換候補に表示するので、一発で「I love you」と変換できた。「o」の隣にある「i」もなぞったはずなので、「I live you」と変換されてもおかしくないが、意味の通じる文章になるよう候補を選んでいると思われる。ちなみに単語を入力する場合、「love」なら「live」「lice」という具合に、複数の候補が表示される。
時間の都合で数分しか試せなかったが、このSwype、慣れれば非常にスピーディに文字を入力できそうだと感じた。通常のキーボードはソフトウェアキーも物理キーも、1文字入力するごとに、キーから指を離す必要がある。当然、キーを押す回数が多いほど、誤入力の可能性も増す。しかしSwypeなら、キーから指を離す必要がなく、誤入力の確率も低いので、入力スピードは大幅に増しそうだ。
現在、Swypeで入力できるのは英語のみだが、Swype社はDOCOMO Capitalからの出資を受け、日本語対応のバージョンを2010年後半の提供に向けて開発している(詳細は2010年02月25日の記事を参照)。英語と同じ精度で日本語も入力できるかは定かではないが、Swypeは文字入力の常識を覆す可能性を秘めていると言っても過言ではない。今後の動向に注目したい。
関連キーワード
Swype | Samsung | Android | キーボード | QWERTY | Samsung Galaxy | Windows Mobile 6.5 | OMNIA(オムニア) | ふぉーんなハナシ | タッチパネル
関連記事
- タッチパネル用の高速入力方式「Swype」 年内に日本語対応を予定
タッチパネル上のQWERTYキーを、入力したい単語のつづりで一筆書きの要領でなぞると素早く入力できる――。そんな技術「Swype」がDOCOMO Capitalからの出資を取り付け、日本語にも対応するという。 - 進化を続けるモバイル向けUIの最前線──シリコンバレーで見た未来(前編)
携帯電話が高度に進化し続ける中、近年はユーザーインタフェース(UI)に対する注目が高まっている。モバイル機器をより快適に扱えるUIとはどんなものなのか──。米国シリコンバレーで現在研究・開発が進められている技術を取材した。 - 「Wave」「GALAXY」日本投入の可能性は――Samsung電子のスマートフォン戦略
Android端末やWindows phone、そして独自開発したOS「bada」搭載モデルなど、積極的にスマートフォンを展開しているSamsung電子。同社が4月23日に開催した説明会で、グローバル端末のラインアップを披露した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.