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本家超えの「UQ mobile」・苦戦続く「mineo」――「格安SIM」の実効速度を比較(au回線+Y!mobile 9月編)通信速度定点観測(1/2 ページ)

格安SIMを選ぶうえで料金と並んで重要な「通信速度」。2015年7月から続けている本企画では主要な格安SIMサービスの通信速度を月に1回、横並びで比較する。今回は2016年9月のau回線を使ったサービスとY!mobileの測定結果を紹介しよう。

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 MVNOが提供している「格安SIM」を選ぶうえで、料金はもちろんだが、「通信速度」も重要な決め手になる。料金は各社のWebサイトやカタログに表示されていて比較しやすいが、通信速度は各社一律「下り最大150Mbps」「下り最大225Mbps」などと表記されており、実際のところどれだけの速度が出るのかが分からない。

 そこで、本企画では各社が提供している格安SIMの“実効速度”を毎月調査し、その結果を横並びで紹介している。前回は2016年7月編のドコモ系MVNOサービスの通信速度をリポートしたが、今回はau系MVNOサービスとソフトバンクが提供する「Y!mobile」の通信速度を計測する。本企画がより良い通信サービスを選択する際の一助になると幸いだ。

通信速度の調査方法

 今回、テストを行ったのは以下の4サービス。

  • UQ mobile
  • mineo(Aプラン)
  • au(LTE NET for DATA)
  • Y!mobile

 その他の計測条件は以下の通りだ。

  • 計測端末:arrows M03
  • 計測アプリ:RBB TODAY SPEEDTEST
  • 計測日:9月30日(金)【午前・午後】/9月27日(火)【夕方】
  • 計測時間帯:平日午前(8時50分〜)、午後(12時20分〜)、夕方(18時〜)の3時間
  • 計測場所:東京都千代田区のアイティメディア社内
  • 計測回数:各時間帯・場所で1サービスあたり上下3回ずつ(平均値を掲載)

 今回も、全時間帯ともにアイティメディア社内で計測した。また、端末はSIMロックフリーでNTTドコモ・au・ソフトバンク(Y!mobile)で利用している主な周波数帯に対応する「arrows M03」(富士通コネクテッドテクノロジーズ製)を利用した。arrows M03は、下り150Mbps・上り50Mbps(ともに理論値)の通信に対応しているが、キャリアアグリゲーション(CA)には対応していない。

 各サービスの測定を開始した時刻は、以降の各時間帯の表を見てほしい。通信測定のエラー、明らかにありえない速度(理論値超え)が表示された場合は再度測定している。人力のテストなので、全てのサービスを同時に測定しているわけではないことはご理解いただきたい。

 本企画で紹介する通信速度は、時間帯や場所によって大きく変化する。記事で紹介されている数値は100%うのみにせず、あくまで参考値としてご覧いただきたい。

平日午前:下り・上りともに純正超えのUQ mobile mineoは朝から不調?

 ドコモ編でも触れた通り、今回の計測は編集部員2人がSIMカードを抜き挿しして速度を測っていった。本当は月末の「花金」に何をするのか考えたいところだが、とにかくSIMカードの交換と速度計測に全神経を集中させる。

 結果やいかに。

アイティメディア社内での計測結果(午前中)
アイティメディア社内での計測結果(午前中)

 au回線を利用するサービス同士で比較すると、下り・上りともに「UQ mobile」が平均通信速度で1位となった。下り21.79Mbps/上り7.77Mbpsと前月より速度は落ちてはいるが、MVNOサービスとしては大変に立派な速度だ。2位は僅差でau純正の「LTE NET for DATA」(下り20.48Mbps/上り7.69Mbps)となった。

 一方、「mineo(Aプラン)」は下り1.57Mbps/上り3.09Mbpsと、先月よりもスピードダウンしている上、2サービスと比べても結果が振わない。ドコモ回線を利用する「mineo(Dプラン)」が下り8.48Mbps/上り4.69Mbpsと好調だったことを考えると残念な結果でもある。

 Y!mobileは、下り15.69Mbps/上り15.09Mbpsとなった。上下問わず安定して良い速度が出ているのは、大手キャリアゆえの貫禄なのだろうか。

アイティメディア社内での計測結果(午前)
計測開始時刻 下り平均(Mbps) 上り平均(Mbps)
mineo 9:01 1.57 3.09
UQ mobile 9:06 21.79 7.77
au(LTE NET) 9:12 20.48 7.69
Y!mobile 9:17 15.69 15.09

平日午後:純正を上回ったUQ mobile Y!mobileは午前中と大差なしで安定

 続けて、MVNOサービスにとっての“鬼門”ランチタイムの計測だ。この時間帯は大手キャリアの純正回線が強い傾向にあるが、前月はUQ mobileがau純正の「LTE NET for DATA」に迫る結果を見せた。今月はどうなのだろうか。

アイティメディア社内での計測結果(午後)
アイティメディア社内での計測結果(午後)

 まず、au系サービスの平均速度から見てみると、UQ mobileが下り16.95Mbps/上り8.2Mbpsを記録し、午前中に続き双方向で1位となった。前月と比べると速度は落ちてはいるが、これだけの速度をランチタイムに出せるMVNOサービスはそれほど多くはない。今後の速度動向次第ではあるが、ランチタイムでも快適に使いたい場合はUQ mobileは大手キャリアと並ぶ良い選択肢の1つになりそうだ。2位は下り・上りともに純正のLTE NET for DATA(下り11.08Mbps/上り7.12Mbps)で、UQ mobile同様に前月よりも若干速度低下している。

 mineo(Aプラン)の平均速度は、下り0.56Mbps/上り5.87Mbpsとなった。他のau系サービスと比べると遅めに見えてしまうが、上り速度については前月比で大幅に改善し、実用上十分な速度になった。一方で、下り速度については前月よりもわずかに改善はしているものの、1Mbps未満という厳しい状況が続いている。上り方向の通信が増える傾向にあるとはいえ、いまだに通信の中心は下りであることを考えると、何とか改善を期待したいところだ。

 Y!mobileの平均速度は下り10.34Mbps/下り15.15Mbpsという結果となった。大手キャリア純正ということもあり、速度面では申し分ない。

アイティメディア社内での計測結果(午後)
計測開始時刻 下り平均(Mbps) 上り平均(Mbps)
mineo 12:20 0.56 5.87
UQ mobile 12:24 16.95 8.2
au(LTE NET) 12:32 11.08 7.12
Y!mobile 12:38 10.34 15.15

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