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2004/03/02 19:15:00 更新

わかる“MBAマーケティング”MBAの実践的マーケティングエッセンス
第4回 ポジショニング戦略

狙うべき顧客層を特定する“ターゲティング”を明確にしたら、次はどのように自社の商品・サービスの陣地取り(ポジショニング)をするかが重要になってくる。

ポジショニングとは

 前回では、自社が戦いやすい場所を探す“セグメンテーション”と、狙うべき顧客層を特定する“ターゲティング”のお話をしたが、ターゲットを決めたあとは、どのように自社の商品・サービスの陣地取り(ポジショニング)をするかが重要になってくる。今回は“ポジショニング”のお話をしたい。

 ポジショニング゙とは顧客の頭の中で自社の商品・サービスをどう位置づけてもらうかということである。

 このポジショニングは競合に対しての位置づけ、既存類似商品に対しての位置づけ以外に、自社が複数の商品を持っている場合には自社商品内での位置づけで使われる場合もありうる。故に、まずは自分がどのポジショニングをしているのか確認しておこう。

 筆者がよく使うたとえ話であるが、芸能界の中でジャニーズは他の芸能プロダクションに対し、“若い男性アイドル”プロダクションという大括りなレベルで明確な業界内ポジションを持った上で、スマップ・少年隊・V6などさまざまな自プロダクション内の商品ラインを消費者に向けて明解にポジショニングしている。最近はそのスマップの中でのキムタク・中居など個別タレント(商品)も明確にポジションわけしている。

 プロダクション(会社)として、グループ(社内商品ライン)として、個別タレント(グループ内個別商品)のポジショニング階層を使い分けている例として充分研究対象になろう。

図

 製品・サービスの質を重視される方の中には、ポジショニングのやり方次第でビジネスの結果に差が出るのかと疑問を持つ方もおられるかもしれない。消費財の例だが、とあるカップ麺メーカーが米国進出時、当初は麺製品としてポジショニングしたところさっぱり売れなかったものが、具の多いスープとポジショニングを変え、棚位置も変えて売り出したとたんにヒットし始めたという話もある。同じ商品を同じターゲット層に販売しようとしているのに、ポジショニングの巧拙で売れ行きに差が出てくることは意外に多いのである。

ポジショニングのポイント

 ポジショニングをする上で重要なのは2点。一つは、最終的に顧客に伝えるポジショニングは明快で、シンプルであることである。あれもこれもでは顧客はどんな陣取りをしているのか混乱し、インパクトが弱くなる。ひとことでいうと何か…を常に考える必要がある。デルの“低価格+直販= BTO(ビルド・トウ・オーダー)というポジショニングはシンプルかつ明快である。

 もうひとつはターゲットとの整合性が取れていることである。

 実際にポジショニングを行うプロセスは 1)ポジショニング軸の選定 2)マーケティングミックスとの連動という順序を経る。ポジショニング軸は最終的には3つにしぼられることが多い。この2軸を使いポジショニングマップをつくり、自社の位置付けを確定する。2軸は互いに相関性の無い互いに独立した軸をおく。

 お互い相関した2軸では2つに分ける意味が出てこない。例えば先述したデルのポジショニングマップ例は以下のようになる。 この軸設定は、マーケティング戦略策定上で最も試行錯誤の多いプロセスになることが多い。軸の選定基準は

  • 顧客に受け入れられるか
  • 企業のイメージ・理念と一致しているか
  • ユニークか

などである。

図

 ポジショニングの軸だしはマーケティングのプロでも悩むことが多いがその手法としては主に以下のものが考えられる。もちろん以下の複数の手法を同一商品・サービスに適応可能である。

1)製品特性・仕様に基づくポジショニング:いわゆる製品スペックで説明しようというものである。“処理速度が速い”、“容量が大きい”などわかる人にはわかるが、そのスペックの基準に不案内な人にはなにを言っているのか良くわからない基準である。法人向けサービスのときはともかく、急速に一般大衆向け商品になってきたDSLサービスなどは“**メガ”と言われても何がすごいのかわからない人がでてきてしまう。

2)消費者へのメリットに基づくポジショニング:“20センチ×3.5センチ×12センチサイズの再生専用カセットデッキ”が製品特性・仕様によるポジショニングであれば、“手軽に音楽を連れ出すことができる”というのが消費者メリットに基づくポジショニングである。顧客メリットによるポジショニングの発展形としてはその結果顧客はどう感じるのかを暗示するようなポジショニングが考えられる。楽しいのか、安心なのか、高級感により人とは違うプライドを感じるのか…。

3)価格と品質の関係に基づくポジショニング:価格と品質の相関でのポジショニングは必ずしも高価格高品質の高級感ポジションばかりではない。価格の高い・低い、品質(この定義も難しいが)の高い・低いで組み合わせはいくつかできてくる。デフレ環境下では、比較的低価格でリーズナブルな品質というポジショニングも有効だった。もちろん“***製品のロールスロイス”のような高価格・高品質ポジションも健在である。AVメーカーのバング&オルフセンは日本のAVメーカーの最高機種のさらに倍以上という価格帯にもかかわらず、オーディオのロールスロイス的位置づけで売上を伸ばしている。

4)用途の特定に基づくポジショニング:自社の製品・サービスをある特定用途に絞り込むことで差別化を強化するポジショニングも考えられる。全てのバックオフィスプロセスを管理するERPとしてではなく、人事・給与分野という特定用途(+ノンカスタマイズという機能)に特化して業績を伸ばしてきたワークスアプリケーションのポジショニングは明快であった。

5)競合製品に基づくポジショニング:ほとんどのポジショニングは、実はこの競合製品との差異化ポジショニングの考え方が必要である。競合との差異を考えるときに上記の4つの視点をどう組み合わせるかが重要になる。競合に対してスペック、顧客へのメリット、価格とのバランスなどどの観点で差別化してポジショニングするのかということである。このときに、ポジショニングのキーワードが競合の位置づけを暗示するようにできればベストである。

 健康エコナマヨネーズ(タイプ)は大手2社で寡占状態のマヨネーズ市場に“美味しいのに、太りにくい”というポジショニングで乗り込んできた。このポジショニングの上手いところは、言外に他社は“美味しいけど太りやすいかも…”か、“太りにくいけど、美味しくないかも…”と顧客に想像させる点である。この競合製品には直接的な競合製品もあれば、他種の製品も含まれる。

 つまり、PDAであれば他のPDAメーカーとの比較ポジションだけでなく、既存の手帳などとの比較ポジションも考えるということである。どちらを競合比較として訴えかけたほうがよいかは、市場の成熟度やターゲットをどこにおくかによって変わってくる。既にPDA市場がそこそこ立ち上がって(浸透率15%を超えたあたりか?)いた場合には、競合PDAメーカーとの差別化を打ち出して限られたパイを奪い合いにゆく選択もでてくるが、それ以前であれば手帳などを比較対照としてポジショニングしたほうが効果的かもしれない、もちろん自社が初心者ターゲットであれば市場が立ち上がり始めたあとでも、手帳との比較するポジショニングを継続する方向性も考えられる。

6)他種製品と関連させたポジショニング: IT製品の場合、この多品種と関連させたポジショニング(いわゆるホールプロダクトという概念である)が、今後ますます重要となってこよう。 自社の製品がどのような製品・サービスとの組み合わせで顧客にメリットがあるかを訴えかける手法である。例えば、VOIPのミドルウェアベンチャーのスカイウェイブ社がストラタス・テクノロジー社の無停止サーバーとの組み合わせで安定性あるVOIPサービスプロバイダーというポジショニングを打ち出すような場合である。

 当然ながらこうして決定されたポジショニング゙も絶対不変のものではないので、競合・顧客ターゲット変更に応じた変更が必要になることが多いが、その際に全く継続性の無いポジショニング変更は顧客がついてこられないので、変えたくない要素は何かを明確化する必要がある。これはブランド戦略と強い関連性があるので後日予定している“ブランド論”の回で詳しく説明したい。

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関連記事
▼第3回 顧客を知る(セグメンテーション・ターゲティング)
▼第2回 市場分析
▼第1回 マーケティングパワー

関連リンク
▼OPINION:ニッセイ・キャピタル

[池上重輔,ニッセイ・キャピタル]

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