マスクド・アナライズの「AIしてま~す!」
ゆくAIくるAI──2024年の生成AI動向を、流行語と共に振り返る(2/3 ページ)
模索が続く、“最もフィジカルで、最もプリミティブで、そして最もフェティッシュな”生成AIの使い方
生成AIの導入が進む一方で、新たな悩みも出てきます。導入はできたものの、利用されないという問題です。
オリンピックの馬術団体は平均年齢41歳で「初老ジャパン」の愛称がつきましたが、これは企業における平均年齢に近いです。どうしても高齢になると新しいものに否定的となりやすい「ソフト老害」と言われがちです。生成AIに対して「間違った回答をする」「情報漏えいが発生する」など、リスクばかりを過大評価して新たな取り組みを止めてしまう状況が顕在化しました。
(関連記事:「ここは人間も失敗するしAIでもいいのでは」――生成AIの業務導入で外せない“幻覚”との付き合い方)
同じおじさんでも、身体一つで銀メダルを獲得して称賛を集めた「無課金おじさん」とは大違いです。しかし社内で生成AIに反対する人に対して「最もフィジカルで、最もプリミティブで、そして最もフェティッシュなやり方でいかせていただきます」と宣言するのは、コンプライアンス的に問題があるので控えましょう。生成AIを導入はしたものの、成果が出ないという問題は引き続き課題となりそうです。
一方で映画「侍タイムスリッパー」では江戸時代の侍が現代にタイムスリップするも、異なる社会に適応しながら生きていく姿が描かれており、過去にとらわれない生き方を示してくれる作品でした。とはいえ、誰もがこのように柔軟な対応ができないのが現実です。
生成AIにも経済格差?
社会不安としては闇バイトによる犯罪が多発しており、SNSでは安全な仕事である「ホワイト案件」と称して「トクリュウ(匿名・流動型犯罪グループ)」による活動が指摘されています。
(関連記事:これが闇バイト募集の手口──犯罪コミュニティーの“誘い方”、NTTコムが実際の文面付きで注意喚起)
生成AIにおいても虚偽情報をフェイクニュースとしてSNSで拡散させるなど、懸念が指摘されています。生成AIの不正利用を防止するため世界各国で法規制について検討されておりますが、一方で県知事選挙においてPR会社社長が違法性が疑われるSNS運用を自ら公表してしまったことを考えると、利用側のリテラシーが重要なのは言うまでもありません。
2月に発表された動画生成AI「Sora」も12月には正式に公開されて、簡単に動画生成が利用できつつあります。今後誰でも簡単に使えて利用者が増えれば、フリマアプリと同じく不正利用も増えるでしょう。今後は大きな問題が起きないうちに、安全に生成AIを利用できる環境づくりが重要視されています。
(関連記事:動画生成AI「Sora」ついに登場──OpenAIが提供 最大20秒の動画作成可能 ディープフェイク対策にも慎重)
政治の世界では「裏金問題」が話題になり、パーティー券の販売ノルマや派閥におけるキックバック(還流)が発覚しました。かつて政治家の不祥事では「記憶にございません」で押し通していましたが、その間にChatGPTはユーザーの入力を記憶し、回答に活用する「メモリ」機能を手に入れました。記録内容は後から確認することも可能です。裏金も同様に履歴を記録して透明化できれば、悪用防止につながるかもしれません。
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マスクド・アナライズの「AIしてま~す!」
企業への生成AIの導入活用やDX支援を手掛ける、AIコンサルタントのマスクド・アナライズさんが“生成AIの今”を愛を持って解説していく。
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