デジタル庁は生成AIをどう使う? 「日本の法令に特化したdeep research」「補助金の自動審査」などに期待 実用への道のりは(1/2 ページ)
デジタル庁は行政のAI活用を促進するため、省内でのAI実装に向けた検証を進めている。2024年11月に開催したAIハッカソンでは官民協働で38個のプロトタイプが5時間で作成されたが、実務での本格活用はこれからだ。
森寛敬参事官は25年4月24日に開催した報道関係者向けブリーフィングで「25年度中にはいくつかのシステムが実装段階に入るだろう」と述べた。霞ヶ関の生産性向上を目指し、行政現場でのAI活用を後押しする取り組みが本格化している。
試行段階にとどまる内部活用
「行政での積極的なAI実装をリードし、日本社会の変革につなげる」。デジタル庁はこうした目標を掲げるが、自らのAI活用はまだ「試行段階」にとどまっている。同庁の「戦略・組織グループAI班」にも所属する森参事官は「23年度から生成AIの利用環境を整備し、職員が実際に試しながらユースケースを発掘してきた」と説明する。
現在、デジタル庁ではFIXAR社の「GaiXer」、24年度からはELYZA社のプラットフォームを導入して検証を進めて、デジタル庁職員が、提供されたLLM(大規模言語モデル)を自由に使える環境を整備していた。25年度は内製で進める。職員には「使える人は積極的に使ってください」という方針でAI環境へのアクセス権が付与されているが、業務の公式プロセスとして組み込まれるレベルには達していないという。
一方でガバメントクラウド上でもLLMを利用できる体制も構築しているといい、オンプレミスやクラウドを含め、「今後どのようなLLMをどこで使えるようになるか」を近く公表する予定だ。
AIの活用について「最大の障壁はセキュリティと精度のバランスだ」と森参事官。検証過程で見えてきた課題として「AIから返ってくる回答の精度がまだ十分でない」点が挙げられるという。
特に行政が国民向けに発信する情報には「ほぼ100%に近い正答率がないと混乱が生じる」と慎重な姿勢を示す一方で、内部業務向けには「8割程度の正答率であれば実用に耐えられる」とも述べ、用途に応じた実装判断を行う考えだ。
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