ゲーム開発に使うAIは「商用可能な画像で学習」 韓国ゲーム企業が“異例”の声明 「議論の高まり」受け
韓国ゲーム企業のKRAFTONは5月14日、同社が手掛けるライフシミュレーションゲーム「inZOI」における生成AIの活用に関し、声明を出した。同ゲームは、複数のAI技術を活用して開発している。これらのAI技術について「商用利用が許可された公開画像をもとに学習された」などと明かした。ゲーム企業が、活用するAIが学習したデータに言及するのは珍しい。
inZOIは、3月28日に早期アクセスを開始。テキストから画像を生成する「T2I」(Text to Image)や、映像から人の動きをモーションデータ化する「V2M」(Video to Motion)などのAI技術を導入しているという。リリース後、4月4日には販売本数が100万本に達した。
KRAFTONは、同ゲームで活用するT2Iについて「商用利用が許可された公開画像をもとに学習された生成型AI技術」と説明する。画像生成AIの開発においては、商用利用と改変が可能なクリエイティブ・コモンズの画像約2000万枚を選定し、独自のデータセットを構築。また、AIスタートアップの米MosaicMLが開発した学習データ管理の仕組みを参考に、信頼性を高めるためのフィルタリングを適用するなどの工夫もしているという。
V2Mでは、同社が独自に収集・保有した170万件以上のモーションデータと、オープンライセンスのデータセットをAIの学習に活用。さらに3Dプリント用の設計図を自動で生成するAIも導入している。設計図を生成するAIについても、同社が保有するか、商用利用が可能な約4万6000件の3Dモデルデータをもとに学習したとしている。
生成AI技術を開発に活用するにあたり、原則も定めていると説明。「商用利用が可能なオープンソース技術の使用」「商用利用が許可されたデータセットの慎重な選定と使用」「権利侵害の可能性に備えた迅速かつ責任ある通報および審査システムの運用」の3原則に基づき、開発していると述べた。
今回の声明の背景として、同社は「最近、コミュニティーを中心にinZOIで使用されている生成型AI技術への関心とさまざまな議論が高まっている」と指摘。「より明確な情報を届けるため」AI技術に関する説明をしたという。
ゲームと生成AIを巡っては1月、カプコンが米Googleの「Imagen 2」を利用していると、グーグル・クラウド・ジャパンが明かした。5月には、コロプラが画像生成AIを活用したゲーム「神魔狩りのツクヨミ」を発売。同人サークル「上海アリス幻樂団」が手掛ける「東方Project」シリーズの新作ゲーム「東方錦上京 Fossilized Wonders.」でも、一部で生成AI使用していることが判明するなど、活用例が相次いでいるが、ユーザーの賛否が分かれている。
KRAFTONは2007年に設立。バトルロイヤル型シューティングゲーム「PUBG: BATTLEGROUNDS」などで知られており、ゲーム開発に生成AIを活用していることを公表している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia AI+に関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
よく見られているカテゴリー
アクセスランキング
-
1
「ポンコツ」と呼ばれたM365 Copilotの逆転劇、GPT-5が転換点 活用の秘訣は“脱・プロンプト職人”
-
2
人間 vs. 人型ロボ、より多く作業をこなせるのは? 生配信で対決した結果…… 米企業
-
3
キオクシア社長「記録的な増収増益」 3カ月の売上収益1兆円、純利益は2990%増 好決算の背景は
-
4
「AIデータセンターの電力需要が急増」はホント? 発電大手Jパワー社長が明かした“報道との温度差”
-
5
伊藤忠商事や三菱ケミカルなど16社が参画 大手企業の「暗黙知」を活用する新プロジェクト
-
6
生成AIで3Dモデルを自動作成 専門スキル不要でテキストや画像から3D化
-
7
NEC社長が説く AI時代と新たな安全保障環境の到来で「ITサービスはこう変わる」
-
8
OpenAI、「ChatGPT」に個人向け資産管理機能 金融口座と連携
-
9
「邪魔すぎ」――LINE入力欄の“新AI機能”が不評 消し方は?
-
10
Python 3.15に追加されるlazy importと内包表記でのアンパッキングについて調べてみた
SpecialPR
ITmedia AI+ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmedia AI+をフォロー
あなたにおすすめの記事PR