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「イナズマイレブン」「妖怪ウォッチ」で画像生成AIを活用 レベルファイブのAI利用例が公開に(1/2 ページ)

» 2023年12月12日 19時15分 公開
[松浦立樹ITmedia]

 「イナズマイレブン」「レイトン教授」シリーズなどで知られるゲーム会社・レベルファイブが、ゲーム開発やプロモーション業務で生成AIを活用していることが分かった。政府が12月11日に開催した「AI時代の知的財産権検討会」に同社が提出した資料から判明した。資料では、生成AIの活用例を複数紹介している。

レベルファイブの画像生成AI活用例が明らかに

 同社は画像生成AI「Stable Diffusion」を活用しているという。例えば、24年に発売予定のゲーム「メガトン級ムサシW」では、タイトル画面のレイアウト案をAIで複数生成し、それを参考に世界観に合ったイラストを作成。イラストをベースに映像も作成し、タイトル画面に使ったとしている。

「メガトン級ムサシW」ではタイトル画面に活用

 「妖怪ウォッチ」シリーズの例では、主人公・天野景太の3Dモデルのイメージ画像を作成する際の例を紹介。過去の作品で使った画像をAIに複数学習させ、さまざまな質感の画像を出力。目指す雰囲気を伝えるのに使ったという。また、「イナズマイレブン」シリーズでは、大観衆や建物群の背景素材をAIで作成。キャラクターのイラストと合成して、イメージイラストを作った。

「妖怪ウォッチ」シリーズの例
「イナズマイレブン」シリーズの例

 同社では画像生成AI以外にも、キャラクター設定の案出しにChatGPTを、せりふの“仮ボイス”収録に音声合成ツール「VOICEVOX」を、Webサイト制作作業の効率化にプログラミング補助ツール「GitHub Copilot」といったAIツールを活用しているといい、AIは「基礎データの作成」「案出し」「クオリティーアップ」で有効活用できると結論付けている。

ChatGPTなどもゲーム開発に活用中
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