東京都が「富士山が噴火したら」再現動画をAIで作ったワケ 制作背景や使ったAIを担当者に聞いた(1/2 ページ)
灰に覆われる東京スカイツリーに東京都庁、画面左上には「生成AIによる映像です」のテロップ――これは、東京都が8月22日に公開した富士山の噴火被害を再現する動画の様子だ。制作には生成AIを活用。降灰により想定される被害や、その対策を紹介している。
自治体が、再現映像をAIで作る例は珍しい。どんなサービスを使って作ったか、そもそもなぜAIを活用にするに至ったか。その背景や制作過程を、東京都総務局総合防災部の担当者に聞いた。
担当者によると、今回の動画は、東京都が都政におけるAI活用や、民間企業などと連携したAI推進のために策定した「東京都AI戦略」の一環という。特に降灰による被害を再現する部分について、生成AIを使えば「高品質でリアルな表現を短時間で作成できる」(担当者)と見込み、制作に至ったという。
動画は、外部の制作会社に依頼し、複数のAIを組み合わせて作成した。米Midjourneyの動画生成AI「Midjourney」や、米Runwayの動画生成AI「Runway」、英Stability AIの画像生成AI「Stable Diffusion」を活用。オープンソースの生成AI向けUI「ComfyUI」も利用したという。
これらのAIを活用し、過去の別の火山の噴火に関する情報を参考にしながら、映像を作成した。完成した動画は、噴火時の噴煙や、降灰被害の様子などの正確性を火山の専門家がチェック。動画内で紹介した降灰被害の対策についても、アドバイスを受けた。
ただし俳優の演技やナレーターの解説は、AIではなく、人間によるもの。親しみのある映像となるよう、AIを使わなかったという。
今回のAI活用を振り返り、担当者は「現在の技術では、生成AIは人間を補完するものなので、作成した動画のファクトチェックや、リリースするかの最終判断は、引き続き都職員が行うことが重要」と説明する。同部では、公開した動画以外にも、政策立案に関する情報収集などで部分的にAIを利用。今後も東京都AI戦略のもと、AIを活用していく方針を示した。
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