人型ロボット、日本の物流倉庫で働く 山善が実証実験 人型にこだわる理由は?(2/2 ページ)
山善が人型ロボットに注力するワケ
実証実験の公開には、山善やINSOL-HIGH、東京ベイ・ファッションアリーナなどを運営する東京納品代行(千葉県市川市)が参加。実証実験の背景などを明かした。
なぜ山善が人型ロボットの実証実験に乗り出したのか。一般消費者には家電メーカーとして知られる同社だが、その売上の65~70%を工場や倉庫で利用する生産材が占める(25年3月期連結売上高)。製造ラインの改善や建物の新改築など、製造現場でのさまざまな課題解決にも注力しており、自動化や省人化の観点から人型ロボットに着目。今回の実証実験につながった。
山善の北野峰陽氏(ヒューマノイドロボット市場開発担当課長)は、人型ロボットにこだわる理由として「これまで自動化や省人化が難しかった場所や業務にも、柔軟に適応できる」と述べる。山善で扱う多様な生産材に対応できる点も重要といい、今後、G1以外の他社製人型ロボット導入も視野に入れる。
人型ロボットを工場などに導入し、作業を効率化するには「どのように動けば良いか判断するデータを、高品質かつ大量に蓄積する必要がある」と北野氏。26年春頃開設予定のフィジカルデータ生成センターでは、参画する企業を募集。各社協力のもと、人間の動作データを活用してAIモデルを開発する「模倣学習」を実施する。
一方、最近では米NVIDIAなどを中心に、シミュレーション空間でロボットの操作データを作成し、AIモデルの学習に活用する動きもある。
リアルでデータを収集する理由は何か。INSOL-HIGHの磯部宗克CEOは「シミュレーションには、多くのエンジニアが必要になる。けれど模倣学習は、極端に言えば、今日来たバイトの方に1時間ほど動作を教えるだけでできる部分もある」と指摘。動作データの精度を含め、データ収集の“手軽さ”をアピールした。
他方、東京納品代行の嶋田亮司氏は、物流業界では「労働力不足が喫緊の課題」と説明する。これまで人の判断や作業が必要だった業務を、人型ロボットで代替できる可能性について「非常に期待している」と述べた。
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