注目のAI VTuber「ゆめみなな」の配信を先行体験してきた 笑顔も言葉も作り物、それでも視聴者の心を動かす工夫(1/2 ページ)

 「もっと星のお話、たくさんしましょうね」「もし全然コメントがなかったら、私がへんてこな名前付けちゃうかもですよ」──まるで人間が演じるVTuberのように笑い、可愛らしく話しかけるキャラクター。実はその声も表情も、全てAIで生成されたものだ。

ゆめみななのデザイン(提供:KLab)

 ゲーム事業などを展開するKLab(東京都港区)は2月12日、AIで声や表情を生成するVTuber「ゆめみなな」のデモ配信を披露した。15日に予定しているデビュー配信を模したもので、コメントをピックアップして反応する様子などをメディア向けに公開した。

 ゆめみななは、KLabが手掛けるVTuber事務所「ゆめかいろプロダクション」第1期生5人のうちの1人で、最初にデビューする。1月のYouTubeチャンネル開設以降、2月12日時点で登録者数は1万人を超えており、投稿したオリジナル楽曲「ナナノホシノナ」のMVの再生回数は190万回を突破している。

 デモ配信では、ゆめみななの2Dアバターが表情を変えながら、自己紹介などのトークを繰り広げる姿を披露した。参加した記者たちが自由にコメントできる形で実施し、トークテーマが切り替わるタイミングで、ゆめみなながコメントをピックアップして反応する様子なども見せた。

ゆめみななのデモ配信の様子(1/2)

 例えば、ゆめみななが趣味の天体観測について話した後には「星の話をたくさん聞きたい」とのコメントを取り上げ、「もちろんです! もっと星のお話、たくさんしましょうね」と答えた。ファンの名前をコメントで募集したにもかかわらず、コメントが出なかった際には「もし全然コメントがなかったら、私がへんてこな名前付けちゃうかもですよ」とも反応した。

ゆめみななのデモ配信の様子(2/2)

 また、ゆめみなながナナノホシノナを歌う一幕もあった。しかしMVと同じ音源ではなく、一部で音程を外す箇所も流れた。AIのゆめみななには本来ありえないことだが、初配信の緊張感を示すための意図的な演出という。

 ゆめみななのデモ配信を体験してみて、2Dアバターの動作や歌のリアルさには目を見張るものがあった一方、視聴者のコメントに対する応答はやや定型的な印象が拭えなかった。ただ、AIならではの長時間配信も強みとしており、作業用BGMのように流し見するコンテンツとしての需要もあるかもしれない。

 とはいえ、配信の盛り上がりが、視聴者のコメントの量や質に左右されやすい仕組みであるとも感じた。ゆめみななの真価は、全世界の視聴者に向けて実施する15日のデビュー配信で問われそうだ。

 デビュー配信後、ゆめみななは週に数回の配信をしていく。配信を重ねるにつれ“歌が上達する”仕掛けを用意するほか、外部のVTuberとのコラボレーションなども実施する。将来的には、AIでゲームを操作しながら行う実況配信も視野に入れる。

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この記事の著者

島田拓

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