注目のAI VTuber「ゆめみなな」の配信を先行体験してきた 笑顔も言葉も作り物、それでも視聴者の心を動かす工夫(2/2 ページ)
ゆめみななに活用したAIは?
ゆめみななの音声の一部には不自然なイントネーションがあった一方、基本的には滑らかに発話していた。音声合成AI「Style-Bert-VITS2」を利用しており、オーディションで選ばれた人間の声を2日間かけて収録し、学習させたという。
コメントの応答には、米GoogleのAI「Gemini」を活用している。コメントの収集と配信の流れの把握、返答の生成という3つの処理を組み合わせることで、自然な反応を目指した。一方“荒らし”のような好ましくないコメントには、答えないよう制限を掛けている。
ただしデモ配信については、事前に決めた台本を読むパートと、リアルタイムのコメントに反応しながらトークするパートを組み合わせたとしている。
VTuberなのに“中の人”を公開する理由
ゆめかいろプロダクションは、KLabのAIを活用したエンターテインメント事業の一環で、2025年10月に始まった。もともと第1期生5人は、AIで生成した人間に近いリアルな外見を持つ「AIアイドル」として登場した。Xユーザーの投稿に応じて外見のデザインを決める企画「みんながプロデューサー」を展開し、その後、VTuberとしての2Dアバターを追加した。
一般的にVTuberとして活動する場合、そのリアルな容姿、いわゆる“中の人”の姿を公開することはまれだ。一方、ゆめかいろプロダクションの第1期生は、順序こそ逆転しているものの、“中の人”を公開した状態で活動することになる。
なぜこのような戦略を取ったのか。ゆめかいろプロダクションのプロデューサーを務めるKLabの萱沼由晴氏は「AIにより、2種類の姿があることを生かしたコンテンツを展開したい」と説明する。現時点で詳細は明かせないとしたが、リアルな外見と2Dアバターを組み合わせたコンテンツを準備しているという。
萱沼氏は、生成AIを活用したエンタメ領域では「議論が巻き起こりやすい」とも指摘する。企画で一般に公開しながらリアルな外見を作成し、それを2D化することで「キャラクターデザインを作る過程を可視化する」という側面もあった。
一方、ゆめみななを除く、今後デビューするゆめかいろプロダクション第1期生4人は、“中の人”の外見はAI生成のまま、通常のVTuberと同様に人間が配信をする。その理由については「通常のVTuberとAI VTuberを共存させたかった」と萱沼氏。「普通に見ている限りは(ゆめみななが)AI VTuberと気付かない」(萱沼氏)といった見せ方を目指し、同事務所内でのコラボ配信も積極的に行う方針だ。
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