Claude Fable 5に聞いてみた

【Fable 5に聞いてみた】10年後、ITエンジニアの仕事はどうなる? 他のAIモデルの回答とも比較(3/5 ページ)

GPT-5.5の回答

 次に「ChatGPT」でGPT-5.5(インテリジェンスは「Pro 拡張」)に聞いた結果を見てみよう。回答は以下の通り。


結論:2036年のITエンジニアは「コードを書く人」から「AIを使って、正しく・安全に・事業価値へつなぐ人」へ変わります

2036年にもITエンジニアの仕事は残るどころか、重要性は高いままだと思います。ただし、価値の中心は大きく変わります。単純な実装、定型的なCRUD、画面部品の量産、単純なテスト作成、ドキュメント整備だけで勝負する仕事はかなり安く・速く・自動化されます。一方で、要件定義、設計、AI生成コードの検証、セキュリティ、データ設計、運用信頼性、法規制対応、業務理解を担えるエンジニアの価値は上がります。

根拠として、すでにAIはプログラミング能力を急速に伸ばしています。Stanford HAIのAI Index 2025では、SWE-benchなど難しいAIベンチマークで性能が大きく改善し、限定時間のプログラミング課題では言語モデルエージェントが人間を上回る場面も報告されています。一方で、複雑な推論や高リスク領域での確実性にはまだ限界があるとも整理されています。つまり「AIが大量に作るが、人間が設計・検証・責任を持つ」方向です。


2036年の仕事はこうなる、という予測

1. 「コードを書く時間」は減り、「読む・直す・判断する時間」が増える

2036年の現場では、エンジニアがゼロから長いコードを書く場面は今より少なくなります。AIエージェントに仕様、既存コード、設計方針、テスト条件を渡し、複数案を生成させ、人間が選び、統合し、レビューする形が主流になります。

ただし、これは「楽になる」というより「責任の場所が変わる」ということです。GitLabの2026年調査では、AI導入後にコード出力が速くなった一方、ボトルネックがコード作成からレビュー・検証へ移っている、AI生成コードの保守性やガバナンスが大きな課題になっている、と報告されています。

2. ジュニアエンジニアの入り口は厳しくなる

昔のジュニアが任されていた「簡単な実装」「既存コードの小修正」「テストケース作成」「ドキュメント修正」は、AIがかなり代替します。そのため、2036年の新人・若手には、最初から「AIの出力を検証する」「仕様の曖昧さを見つける」「テストで品質を担保する」「小さく本番運用まで持っていく」力が求められます。

PwCのAI Jobs Barometerでは、AIに影響される仕事ほどスキル変化が速く、AIで“専門職化”する仕事は伸びや賃金上昇が強い一方、AIで“誰でもできる化”する仕事は厳しくなる、という二極化が示されています。

3. 需要が伸びるのは「AI+専門領域」のエンジニア

2036年に強いのは、単なる「Pythonが書ける人」「Javaが書ける人」ではなく、次のような複合型の人材です。

2036年に価値が高い職種・役割 なぜ強いか
AIアプリケーションエンジニア LLM、RAG、AIエージェント、業務システムを組み合わせて価値を出すため
AI/データ基盤エンジニア 企業データの品質、権限、監査、検索、分析が競争力になるため
セキュリティエンジニア AI生成コード、サプライチェーン攻撃、ID管理、クラウド攻撃が増えるため
Platform Engineer / SRE AIが大量に作るソフトを安全に継続運用する基盤が必要になるため
ソフトウェアアーキテクト 複雑な業務、レガシー、AI、クラウド、データを統合する設計力が必要になるため
ドメイン特化型エンジニア 金融、医療、製造、物流、行政、エネルギーなど、業界知識がAIでは補いにくいため
AIガバナンス・品質保証エンジニア AI出力の説明責任、監査、リスク管理、規制対応が重要になるため

米国BLSの2024〜2034年予測でも、ソフトウェア開発者・QA・テスターは15%増、情報セキュリティアナリストは29%増とされており、少なくとも2030年代前半までは「IT職全体が消える」というより、AI・IoT・ロボティクス・セキュリティ需要に支えられて伸びる見通しです。

4. 日本では「DX・レガシー刷新・内製化」の需要が残り続ける

日本では、AIだけでなく、既存システムの刷新、データ活用、アジャイル、生成AI活用、内製化、DX人材の量・質不足が大きなテーマであり続けます。IPAの「DX動向2025」は、日本企業のDXの現在地と課題を、技術活用、人材、レガシー刷新、生成AI活用、システム開発の内製化などの観点で整理しています。

さらに、日本は高齢化と労働力不足の圧力も強く、内閣府の高齢社会白書では2037年に国民の3人に1人が65歳以上になる見込みとされています。これは、少ない人数で業務を回すための自動化、業務システム刷新、AI活用の需要を押し上げる要因になります。

5. 「AIを使えるだけ」では差別化にならない

2036年には、AIツールを使えることは今のGitやクラウドのような前提スキルになります。差がつくのは、AIに何を任せるか、どの情報を与えるか、出力をどう評価するか、事故をどう防ぐか、事業成果にどうつなげるかです。

Google CloudのDORA 2025も、AI活用の成果はツール単体ではなく、組織の開発システム、基盤、ワークフロー、価値流の設計に左右されるとしています。つまり、AIを入れるだけでは強くならず、開発プロセス全体を設計できる人が重要になります。


2036年に備えて、ITエンジニアが今から始めるべきこと

1. AIを「検索ツール」ではなく「開発チームの一員」として使う

今すぐ始めるべきなのは、AIに質問するだけでなく、設計、実装、テスト、レビュー、リファクタリング、障害調査まで一連の開発フローに組み込むことです。

例えば、毎日の開発で次を習慣化するとよいです。

習慣 目的
仕様をAIに渡して設計案を複数出させる 設計比較の力を鍛える
AI生成コードに必ずテストを書かせる 検証前提の開発にする
AIにレビューさせた後、自分でもレビューする AIの見落としを学ぶ
なぜその実装が安全かを説明させる セキュリティ・設計観点を鍛える
生成物の根拠、制約、リスクを記録する 将来のAIガバナンスに備える

重要なのは、AIの出力をそのまま信じないことです。2036年に評価されるのは「AIを使って速く書ける人」ではなく、「AIを使っても壊さない人」です。

2. コンピュータサイエンスの基礎を捨てない

AIがコードを書く時代ほど、基礎力は重要になります。なぜなら、生成されたコードが正しいか、遅くないか、危険でないか、保守できるかを判断するには、人間側の基礎理解が必要だからです。

特に、今から固めるべき基礎は以下です。

分野 2036年に効く理由
データ構造・アルゴリズム AI出力の性能劣化を見抜ける
ネットワーク 分散システム、API、セキュリティの土台になる
OS・コンテナ 本番障害や性能問題に強くなる
データベース AI時代も業務データの設計は中核になる
セキュリティ AI生成コードの脆弱性を見抜ける
ソフトウェア設計 大規模化・長期保守に耐える構造を作れる

「AIがあるから基礎は不要」ではなく、「AIがあるから基礎がない人の危険性が増す」と考えたほうがよいです。

3. テスト・レビュー・運用・セキュリティを得意にする

今後、コード生成はどんどん速くなります。すると希少になるのは「正しさを保証する力」です。単体テスト、統合テスト、E2Eテスト、負荷試験、静的解析、脆弱性診断、監視、ログ設計、障害対応、CI/CD、リリース管理を体系的に学ぶべきです。

2036年の強いエンジニアは、「動きました」で終わらせません。「なぜ壊れにくいか」「障害時にどう検知するか」「監査に耐えられるか」「AI生成部分の責任は誰が持つか」まで説明できます。

4. AI・データの基礎を学ぶ

全員が研究者レベルの機械学習を学ぶ必要はありません。ただし、業務システムにAIを組み込むエンジニアなら、次は必須になっていくと思います。

学ぶべきテーマ 内容
LLMの基本 トークン、コンテキスト、推論コスト、幻覚、制約
RAG 社内文書・DB・検索とLLMの接続
評価 正答率、再現率、誤回答率、ユーザー評価、回帰テスト
データ品質 欠損、重複、権限、鮮度、監査ログ
MLOps / LLMOps モデル更新、プロンプト管理、評価、監視
プライバシー・著作権・セキュリティ 入力データ漏えい、ライセンス、機密情報保護

AI時代のエンジニアは、モデルそのものを作る人だけではありません。多くは「AIを業務に安全に組み込む人」になります。

5. どれか1つ、業界ドメインを持つ

2036年には、技術だけでなく「業務を理解しているエンジニア」がさらに強くなります。AIは一般的な実装を助けますが、現場特有の制約、商習慣、法規制、例外処理、責任分界、既存業務の泥臭さまでは簡単に理解できません。

おすすめは、どれか1つの領域を選び、技術とセットで深掘りすることです。例えば、金融なら決済・不正検知・監査、製造なら品質管理・サプライチェーン・IoT、医療なら個人情報・診療ワークフロー、物流なら配車・在庫・最適化、行政なら本人確認・申請・基幹システム、といった具合です。

6. 「作る力」から「決める力」へ広げる

AI時代に残る人間の仕事は、何を作るべきか、何を作らないべきか、どのリスクを許容するか、誰の課題を解くかを決めることです。要件定義、ユーザーインタビュー、業務分析、KPI設計、プロダクトマネジメント、ファシリテーション、説明力を鍛えてください。

WEFのFuture of Jobs Report 2025でも、AI・ビッグデータ・サイバーセキュリティのような技術スキルの需要増に加え、分析的思考、創造的思考、レジリエンス、柔軟性、リーダーシップといった人間系スキルの重要性が残るとされています。

7. 英語で技術情報を取りに行く

2036年のエンジニアは、世界中のAIツール、OSS、論文、仕様、セキュリティ情報、クラウド更新に追随する必要があります。日本語情報だけでは遅れます。英語で公式ドキュメントを読み、GitHub Issueを読み、海外の設計議論を追えるだけで、かなり差がつきます。

完璧な英会話より、まずは「英語の技術文書を速く読める」「英語でIssueや設計メモを書ける」を目標にすると実用的です。


今後12カ月でやるなら、この順番がおすすめです

期間 やること ゴール
1〜3カ月目 AI開発支援を日常業務に組み込む 実装、レビュー、テスト、調査でAIを使い分ける
3〜6カ月目 テスト・CI/CD・セキュリティを強化する AI生成コードを安全に検証できるようにする
6〜9カ月目 LLM/RAG/評価の小規模アプリを作る AIを業務システムに組み込む経験を持つ
9〜12カ月目 業界ドメインを選んで成果物を作る 「技術+業務理解」のポートフォリオを作る

成果物としては、「AIチャットアプリを作りました」だけでは弱いです。強いポートフォリオは、評価指標、テスト、権限管理、ログ、監視、コスト見積もり、セキュリティ対策、運用手順まで含んでいます。


2036年に危ないエンジニア、強いエンジニア

危ないのは、指示された実装だけをする人、AIの出力を検証せず貼る人、業務やユーザーに関心がない人、セキュリティや運用を他人任せにする人、学習を止める人です。

強いのは、AIを使って生産性を上げつつ、設計・品質・セキュリティ・運用・事業成果まで責任を持てる人です。特に「AIに任せる部分」と「人間が判断すべき部分」を切り分けられる人は、2036年にもかなり価値が高いはずです。

一言でまとめると、2036年に生き残るITエンジニアは、“速くコードを書く人”ではなく、“AIを使って安全に価値を届ける人”です。

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