Meta、マルチモーダル推論モデル「Muse Spark 1.1」公開 低価格の「Meta Model API」も提供へ

 米Metaは7月9日(現地時間)、AIモデル「Muse Spark 1.1」を発表した。4月に公開した初代「Muse Spark」を強化したマルチモーダル推論モデルで、ツールやコンピュータの操作、コーディング、マルチモーダル理解を向上させた。「Meta AI」アプリおよびWeb版(meta.ai)で「Thinking」モードとして使えるほか、米国の開発者向けに提供を開始した新設の「Meta Model API」のパブリックプレビューで、同シリーズを初めてAPI経由で外部開発者が利用できるようにした。

(画像:Meta)

 同社のAI研究組織「Meta Superintelligence Labs」(MSL)が手掛けた初代モデルからの進化は、エージェント型タスクに関わる領域に集中している。エージェント機能では、計画立案と複数エージェントの連携を担い、新しいツールやMCPサーバ、カスタムスキルにゼロショットで対応する。100万トークンのコンテキストウィンドウを能動的に管理し、長時間の処理でも、初期の文脈を保持しながら要約できるという。

 コーディングでは大規模で複雑なコードベースを扱い、バグの診断・修正や新機能の実装、大規模なコード移行をこなす。デスクトップ操作では、自動化が適した場面ではスクリプトを書き、直接操作した方が簡単な場面ではクリックするといった使い分けもする。

Muse Spark 1.1と同クラスの競合モデルのベンチマーク比較(画像:Meta)

 MetaはMuse Spark 1.1を、7日に公開したエージェント型画像生成AI「Muse Image」と合わせて「パーソナル超知能」の実現を支えるモデルと位置付けている。Muse Imageは、生成した画像を自己修正する際にMuse Sparkと連携し、ツールの共有や共同でのプランニングを行う。

 外部の開発者は、Meta Model APIを通じてMuse Spark 1.1を利用できる。APIはセルフサービス型で、米OpenAIのSDKやOpenAIの互換ツールに加え、米AnthropicのSDKやClaude系ツールにも対応する。Web検索による裏付け(グラウンディング)機能も組み込まれており、引用付きで最新情報を回答に反映できる。なお、日本を含む米国以外での提供時期は明らかにされていない。

 料金は従量課金制で、主要な競合フラッグシップモデルのAPI利用料金(100万トークン当たりでOpenAI「GPT-5.5」が入力5ドル/出力30ドル、Anthropic「Claude Opus 4.8」が5ドル/25ドル、Google「Gemini 3.1 Pro」が2ドル/12ドル)を、入力・出力ともにこれらを下回る価格に設定した。公式ブログには、早期に採用したパートナーからの、大規模なコーディングを本番環境で運用できる価格帯だとの評価が紹介されている。米Boxの担当者は、企業向けの評価セットで主要なフロンティアモデルに匹敵する能力を示したとしている。

 安全性について、Metaは自社の「Advanced AI Scaling Framework」に基づき、化学・生物、サイバーセキュリティ、制御喪失(Loss of Control)の各リスク領域で導入前評価を実施したと説明する。緩和策を講じない場合は、化学・生物領域で「高リスク」の閾値に達し、サイバーセキュリティ領域でも高リスクに達する可能性があったが、多層的な緩和策を適用した結果、いずれの領域でも残存リスクは「中リスク以下」に抑えられたとしている。

印刷する
SNSでシェア
SpecialPR

関連記事

こんなメディアも見られています

ITmedia AI+に関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。

メールマガジンを配信中
メールマガジンを配信中

国内外の業界動向、AIやクラウドなどの最新技術、キャリア情報など今知りたい情報をまとめてお届けします。

いますぐご登録

よく見られているカテゴリー

アクセスランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

SpecialPR

ITmedia AI+ SNS

X @itm_aiplusをフォロー

インフォメーション

ITmedia AI+をフォロー

あなたにおすすめの記事PR