日本HPのPCが楽天のAIを搭載、ローカル実行も可能 HP岡戸社長「ハイブリッドAIの重要なマイルストーン」(1/2 ページ)
日本HPと楽天グループ(以下、楽天)は7月29日、日本国内のHP製PC向けにAIアプリ「Rakuten AI for Desktop」のプリバンドル提供(タスクバーとスタートメニューに「Rakuten AI」アイコンが表示され、ダウンロード後に利用できる状態での提供)を始めた。楽天が開発した70億パラメータの大規模言語モデル(LLM)「Rakuten AI 7B ONNX」をローカル環境で利用できるのが特徴。移動中などオフライン環境でも、文章のリライトや要約、翻訳などが可能だとうたう。
プリバンドルの対象は、ゲーミングPCなど一部を除く、今後提供される日本国内のHP製Windows PC。同日から法人向けPCで提供を始め、コンシューマー向けには10月以降の提供を予定している。
Rakuten AI for Desktopは、AI PC向けに設計されたアプリだ。処理をPC内で完結するオンデバイスAIとクラウドAIを用途に応じて切り替える「ハイブリッドAI」構成を採る。オンデバイスモードでは、PC内蔵のCPU、GPU、NPUを活用してLLMを動作させるため、クラウドを介さず低遅延で応答でき、機密性の高い作業も安全に実行できるという。
楽天のティン・ツァイCAIDO(最高AI&データ責任者)は「東京・米国間の大手航空路線には今もWi-Fiのない便がある。私も今回、機内でオンデバイスAIを使って日本語を学習できた」と自身の体験を交えてオンデバイスモードの優位性をアピールした。
クラウドモードでは、画像・動画の読み込みや、楽天の各種サービスと連携したエージェント機能などを利用可能。「楽天市場」での商品検索や「楽天トラベル」の宿泊予約、「楽天ポイント」残高の確認などを単一のチャット画面から実行できる。
オンデバイスモードの実装に当たっては、「Rakuten AI 7B」のカスタマイズモデルであるRakuten AI 7B ONNXを用意した。Rakuten AI 7Bは、仏Mistral AIのオープンモデル「Mistral-7B-v0.1」を継続学習し日本の利用者向けにチューニングしたモデル。Rakuten AI 7B ONNXは継続学習やファインチューニング、量子化によってHP製AI PC向けに最適化されているという。
今回の提供は両社が2025年11月に発表した協業に基づくもの。日本HPの岡戸伸樹社長は「この発表は単なるソフトウェアのPCバンドルではない。クラウドAIとオンデバイスAIを融合させたハイブリッドAIを、日常の中で普通に使えるようになる重要なマイルストーンだ」と述べ、協業の重要性を強調した。
なお、Rakuten AIのデスクトップアプリはCPU、GPU、NPUから処理に適したチップを自動で選択するため、必要スペックを満たすWindows PCであれば他社製PCでも利用できると楽天の担当者は説明する。実際、筆者のLenovo製PCでもRakuten AIのホームページからアプリをダウンロード後、設定画面からRakuten AI 7Bをインストールし、オンデバイスモードを利用できた。
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