Google、ロボット向けAI「Gemini Robotics 2」発表 ヒューマノイドの全身制御や指先作業を実現

 米Googleと同社傘下のGoogle DeepMindは7月30日(現地時間)、ロボット向けAIモデル群「Gemini Robotics 2」を発表した。ヒューマノイドロボットの全身制御、指先を使った細かい作業、複数ロボットの連携に対応したとしている。

Gemini Robotics 2(画像:Googleの動画より)

 3つのモデルで構成する。「Gemini Robotics 2」は視覚と言語の入力をモーター制御に変換するVLA(Vision-Language-Action)モデルで、ヒューマノイドを足先から指先まで制御できる。「Gemini Robotics ER 2」はロボットの「高次の脳」として機能する身体化推論(embodied reasoning)モデルで、人間との対話、物理世界の理解、数分間に及ぶ複数ステップのタスク計画を担う。「Gemini Robotics On-Device 2」はロボット本体上でローカル実行する軽量VLAで、形状やセンサー、自由度が大きく異なる新しい双腕ロボットにも、200例未満のデータと数時間で適応できるという。

 従来のモデルはヒューマノイドの上半身によるテーブル上の作業に限られていたが、今回初めて全身の動作を制御できるようになった。米Apptronikのヒューマノイドロボット「Apollo 2」に「じょうろを下段の棚の緑のビンに入れて」と指示すると、テーブルまで歩いてじょうろを持ち上げ、棚まで移動して所定の位置に置く。Apollo 2に搭載された5本指・22自由度のハンド「SharpaWave」では、ひもを結んだりジップロック袋を閉じたりといった作業もこなす。ただし動作速度にはまだ改善の余地があるとしている。

 ER 2はGemini Live APIに統合され、双方向ストリーミングによって低遅延で動作する。行動しながら次の手順を「考える」設計で、処理のたびに動きが止まる不自然な間が生じないという。デモでは米Boston Dynamicsの「Spot」のAPIをER 2で制御し、自然言語の指示でポップコーンを運ばせている。作業の進捗を映像から5段階で判定する精度は57.4%、コーヒーを注ぎ終わる瞬間のような決定的な場面のフレームを特定する精度は91.3%(平均絶対誤差0.96秒)で、より大規模なモデルに迫る精度を、計算コストを抑えつつ4倍の実行速度で達成したとしている。

Gemini Robotics ER 2は、進捗状況分類タスクで57.4%の精度を達成(画像:Google)

 安全性については、エージェントとしての安全な振る舞いを測る新ベンチマーク「ASIMOV-Agentic」を公開した。VLAからの危険なツール呼び出しを拒否できるか、作業が実行可能かを予測できるか、不確実な場面で人間の判断を求められるかなどを評価する。ER 2は人間が近づいたことを検知してロボットを安全に停止させ、周囲から人がいなくなると自動的に作業を再開できるという。

 ER 2は「Gemini API」と「Google AI Studio」で開発者向けに公開済み。「Gemini Enterprise Agent Platform」ではプライベートプレビューとして提供する。VLA版とOn-Device版はアーリーアクセスパートナー向けの提供にとどまる。

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