クリエイティブにAIを込めて
生成AIの業務活用にプロンプトスキルは必要か? 会社にAIを浸透させる「4つのステップ」(1/2 ページ)
博報堂DYホールディングスが、生成AIとクリエイティビティについて考える同連載。今回は「事例から学ぶAI浸透の戦略」と題し、中小企業のデジタル支援を手掛けるアンドデジタル(東京都文京区)で、Chief AI Evangelistを務める國末拓実さんが生成AIをどう広め、組織に浸透させるかについて紹介する。
組織的な生成AI活用への道筋
アンドデジタルの親会社であるソウルドアウトグループでは、ChatGPTのカスタマイズ機能「GPTs」で作成したオリジナルAIアプリの数が200を突破しました。また、週に1回以上生成AIを使って業務をこなす社員が94%に及ぶなど、生成AIの定着化が進んでいます。
生成AIを組織に定着化させるためにはどうすればよいのでしょうか? 当社の事例にも触れながら、そのポイントを解説します。
当社内で生成AIが盛り上がりをみせたのが、2023年4月です。22年11月にChatGPTがリリースされ、ビジネス層においてもAIへの注目が高まりました。私もAIの時代が来ることを強く認識し、社内Slackにチャンネルを立ち上げ情報共有を始めました。
当社の代表もAIに対して高い熱を持ち、社員に向けてAI活用を推奨するメッセージを発信。特別報酬付きで生成AIを活用した新規事業のコンテストなども開催しました。
世間での話題や代表からの強いメッセージがある一方、現場としてはいきなりAIを使えと言われても困ってしまいます。AIは優れた解決手段ですが、そもそもAIで何を解決できるのか分からない中で、RPAなどの自動化とは違う生成AIをどう活用できるのか、多くの悩みや相談が私のもとに集まりました。
例えば、自分が普段書く文体を参考に、代わりにメールの下書きをAIで書いてみるなど、簡単な取り組みから始めました。しかし、それだけでは特定の業務を何割も削減できるような成果にはつながらず、経営トップが求める水準にまでは達しません。
特に初めのころは「生成AI、面白そう!」と思ってもらえても、いざ使うとなると難しいプロンプトの書き方を覚える必要があることに戸惑う方が多かった印象です。ただでさえ日々の仕事で忙しい中、AIの利用方法を学び、自らAIに歩み寄っていく余裕はありません。
私自身、社内でプロンプトの作成支援なども行い、一定の成果を挙げることはできました。しかし「プロンプトそのもの」を提供するやり方ではスポット的な支援で終わってしまいますし、自律的に生成AIの活用が進んでいく土壌を作ることは難しいでしょう。
やはり、現場でプロンプトを作成できるようにならなければなりません。そこでGPTsとして「GPTsに対して入力するプロンプトを作成できるGPTs」を作成しました。
これは例えば「3C分析をしてほしい」と入力すれば、「あなたは優秀なマーケターです」「あなたはURLの記載内容を分析し市場・顧客・競合の3軸で分析してください」といった、GPTsに入力するための20行程度のプロンプトに変換してくれます。さらに、生成AIのプロンプトを共有できる自社サービス「&MAICO」も活用し、誤字脱字の確認など定型的な業務の効率化も進めました。
このような取り組みの結果、マーケティングや営業など、現場での生成AIの活用が広がり、前述した30営業日で200のGPTsを作成できた実績につながっています。
社内教育体制ももちろん重要
また、全社をあげての生成AI活用の推進体制も重要です。博報堂DYグループでは生成AIに関する専門知識獲得・活用に向けて延べ8500人超の従業員が研修を受講しています。私も講師として約2100人に対して研修を行い、うち1253人に対しては90分を全三回というブートキャンプ式でセッションを行いました。生成AIに興味を持つ方は多く、学びのある内容を提供できたことで結果としてこれだけの人数が集まりました。
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クリエイティブにAIを込めて
AIによって人間の能力を向上させていくことを目的とする研究機関「Human-Centered AI Institute」を設立した博報堂DYホールディングスが、生成AIとクリエイティビティについて考える。
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