OpenAI、「GPT-5.4」リリース PC操作のネイティブ対応、思考の途中変更も可能に
米OpenAIは3月5日(現地時間)、AIモデルの最新版「GPT-5.4」をリリースした。推論、コーディング、エージェントワークフローの最新の進歩を統合したフロンティアモデルであり、専門的な業務を正確かつ効率的にこなすように設計されているという。一般的なタスクからコーディングまでを幅広くこなすデフォルトモデルという位置づけだ。
ChatGPTでは、用途に応じて「Thinking」と「Pro」の2つの形態で提供される。「GPT-5.4 Thinking」は、長い思考を要する質問や詳細なウェブ検索に優れたモデル。最大の進化として、モデルが思考している途中でユーザーが指示を追加したり、方針を調整したりできる機能が備わった。
Plus、Team、Proユーザー向けに同日から提供される(従来の「GPT-5.2 Thinking」を置き換える形となる)。「GPT-5.4 Pro」は、より多くの計算リソースを使用し、複雑なタスクにおいて最大のパフォーマンスと深い推論を提供する最上位モデル。ProおよびEnterpriseプランのユーザーが利用可能だ。
主な特徴として、AIエージェントがPCの画面を認識してマウスやキーボード操作を行う「computer use」をネイティブに組み込んだ。また、最大100万トークンの長いコンテキストウィンドウに対応し、無数のツールの中から適切なものを効率的に呼び出す「tool search」機能も導入。過去のモデルと比べてトークン効率が向上しており、より少ないトークンで高速に問題を解決できる。
各種ベンチマークでは、知識労働の能力を測る「GDPval」で83.0%(GPT-5.2は70.9%)、コーディングの「SWE-Bench Pro」で57.7%(GPT-5.3-Codexは56.8%)、コンピュータ操作の「OSWorld-Verified」で75.0%(GPT-5.2は47.3%)と、いずれも過去モデルを上回るスコアを記録した。
開発者向け(APIおよびCodex)でも提供が開始されており、APIの標準料金(100万トークン当たり、コンテキスト長272K未満の場合)は、gpt-5.4では入力2.50ドル(キャッシュ時0.25ドル)、出力15.00ドル、gpt-5.4-proでは入力30.00ドル、出力180.00ドルだ。詳細は開発者向けページを参照されたい。
このモデルのシステムカードによると、GPT-5.4 Thinkingはその能力の高さゆえに、OpenAIの安全枠組みで「生物・化学」および「サイバーセキュリティ」の分野でリスクレベル「High」と評価されている。これに対応するため、悪意あるプロンプトの非同期ブロックなどを含む厳格なセーフガードを適用しているという。
また、明示的な目的を与えられた場合に意図的にパフォーマンスを下げる「サンドバッギング」の挙動が確認されたほか、モデルの内部的な思考プロセス(CoT)の安全性を人間が監視する「Monitorability」が、特定のタスクで旧モデルの「GPT-5 Thinking」よりも低下しているという課題も報告されており、今後の改善に向けた調査を進めているとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia AI+に関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
農水省の“クソダサ”ポスター話題 「AIよりよっぽど良い」の声も 担当者に狙いを聞いた
-
2
OpenAI、ミレニアム懸賞問題「ナビエ・ストークス方程式」をAIが解決したと発表 数学者は経緯に反発
-
3
Anthropicの研究者が退社し超知能の開発競争を猛批判──「来年末には制御不能になる可能性」
-
4
OpenAI「GPT-6 Astra」発表 Codexのコーディングは前世代からどれだけ進化?
-
5
中国新興自動車メーカーが取り組むAIアーキテクチャ「LBM」は本流となるか
-
6
日立社長の“フィジカルAI”熱弁に「あれは、叱咤激励だ」 社内外に刺さるトップメッセージの核心とは
-
7
AIをよく使う社員だけ5倍に Claude、ChatGPT/Codex、Cursorで企業がAIを本格運用できる時代へ
-
8
Anthropicへ宣戦布告 OpenAI「Astra」、PC自動操作と「AGI到達」の衝撃
-
9
「ChatGPT Images 2.5」登場 特定部分の編集を強化、落書きの清書やテンプレート機能も
-
10
マラソン大会のポスターが“AIっぽい”と波紋 「説明に不適切な部分があった」と事務局声明
SpecialPR
ITmedia AI+ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmedia AI+をフォロー
あなたにおすすめの記事PR