DeNAが“AI社員”を育成中 AIエージェント「OpenClaw」活用 南場会長「毎朝けんか」
DeNAの南場智子代表取締役会長は3月6日のイベントで、自律的にタスクをこなす独自のAIエージェントを開発中と明かした。同社のIT本部がオープンソースのAIエージェント開発基盤「OpenClaw」で作成しているもので、名前は「Lemonクン」。南場会長も試験的に利用しており、将来的には秘書やチームの一員としての活用を目指す。
Lemonクンには「Slack」で指示できるようにしており、南場会長はTodoリストからリマインドを作成するなど一部のタスクで活用している。グループチャットにも参加しており、Lemonクンがやりとりの内容に応じて自発的に仕事を請け負うケースもあるという。
一方、Lemonクンは開発中のため、指示通りに動かないこともある。「『ここに入れないで、ここに入れろって言ったでしょ』、なんて毎朝結構けんかしている」(南場会長)
OpenClawでは、ローカル環境で実行可能な常時稼働型のAIエージェントを作成できる。同社の金子俊一氏(IT本部 本部長)によると、Lemonクンの開発は人間の従業員の育成のように進めているという。従業員と同様にIDを割り振って管理しており、就業規則を習得させるほか、事業部ごとのオンボーディングを模して専門スキルを学ばせている。
「この会社のこの組織で働くために何を整えれば良いのか、人間の従業員にやるのと同じことを同じ考えで、AIに対しても行っている」(金子氏)
Lemonクンは現時点で、社内ナレッジの共有場所(社内Wiki)やカレンダーなどを確認できる一方、更新には人間の確認が必要な仕組みだ。今後は、個人が好む出力に近づけたり、定型作業の正確性を高めたりすることで、秘書やチームの一員としての社内展開を目指す。
南場会長「エンバイロメントエンジニアリングが重要に」
南場会長は、Lemonクンを利用してみて、AIエージェントにより開発で重要なポイントが変化していると感じたという。これまでは、AIの出力精度を入力によって最適化する「プロンプトエンジニアリング」や、背景情報を与えて改善する「コンテキストエンジニアリング」が重視された。
一方、南場会長は、自律的に情報を取得できるAIエージェントの登場により、コンテキストに加えて、AIが動作する環境を整備する「エンバイロメントエンジニアリング」の重要性が増したと指摘する。
「どこまで情報を見て、どういう出力や行動を許すのかというガードレールの設計が重要になってきている。セキュリティやバックアップ、インジェクション(不正な文字列を入力してAIの誤作動を引き起こす攻撃)の対策も同様だ。基本的には環境を整え、安全性と利便性の両方を追求できる組織が、AIのメリットを最大限享受できる」(南場会長)
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