Webホスティングサービスを展開する米Vercelは4月19日(現地時間)、同社システムに不正アクセスがあり、一部のユーザーの環境変数が流出した可能性があると発表した。侵入の起点となったのは、同社従業員が利用していた、既にサポートが終了しているAIツール「Context AI Office Suite」だった。
Context AI Office Suiteは米Explore Interfaces(通称:Context)が2025年6月にリリースしたコンシューマー向けAIツールだ。同サービスは2026年3月に不正アクセス被害を受けており、同社は既にインシデントを特定、阻止したという。またその際「Amazon Web Services」(AWS)環境などのリソースを閉鎖し、同サービスを廃止した。
しかし、今回のVercelのインシデントに基づきContextが再度調査したところ、3月の被害時に一部ユーザーの認証情報も漏えいした可能性が高いことが判明した。Vercelの従業員が「Google Workspace」アカウントを使用してContext AI Office Suiteにログインし、社内の情報へのアクセスを許可していたため、攻撃者はそれを利用して同Google Workspaceアカウントを奪取。Vercelの一部環境および機密に指定されていなかった環境変数へのアクセスに成功したという。
Vercelは機密指定された環境変数は読み取りできない形式で保管されており、現時点でこれらの値にアクセスされた証拠はないとしている。同社は攻撃者について、素早い作戦遂行とVercelのシステムに対する詳細な理解から、高度に洗練された攻撃者であると判断。米Google子会社の米Mandiantなどのセキュリティ企業や法執行機関と連携して調査を進めている。
一方、Contextは現在、企業向けに別プラットフォームを提供しており、こちらはオンプレミスやエアギャップ構成で動作するため今回のインシデントの影響を受けないとしている。
Vercelは認証情報が侵害された一部の顧客に連絡を取り、認証情報の即時更新を推奨した。また、利用者全般に対して、機密指定していない環境変数の更新、二段階認証の有効化、アクティビティーログの確認などを推奨している。Context AI Office Suiteへの攻撃によって侵害された可能性のあるOAuthアプリのクライアントID(110671459871-30f1spbu0hptbs60cb4vsmv79i7bbvqj.apps.googleusercontent.com)も公開し、GoogleアカウントやGoogle Workspace管理者にアプリ利用状況の確認を呼び掛けている。
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