【中編】孫正義×サム・アルトマンのAI対談、全編文字起こし Cristalを導入しない企業は「電気がない国」のようなもの?(1/3 ページ)
ソフトバンクグループは2月3日、米OpenAIと米Arm、ソフトバンクと共同発表会を開催し、企業向けAI「Cristal intelligence」やOpenAIとの合弁会社「SB OpenAI Japan」の設立などを発表した。そこで行われた、ソフトバンクグループの孫正義代表取締役と、米OpenAIのサム・アルトマンCEOとの約50分のAI対談の内容を、通訳を基に全編を通して文章化。その全貌をお届けする。
前編はこちら
サム・アルトマンCEO、日本のインフラに寄せる信頼
孫 Stargateは日本でも広める必要があります。もちろん、AI規制には準拠し、プライバシーとかセキュリティの問題にも対応しなければいけませんが、ソフトバンクは日本ですでに大規模なデータセンターを作っています。Stargateは日本でもインフラとして十分に広げられるということです。
AIの頭脳の中枢となる部分のトレーニングは米国でやりますが、各国にセキュリティの問題があり、文化があります。それらを尊重し、日本以外でも展開できると思ってます。
サム (Stargateは)米国の試みとして始まるわけですが、われわれは全人類にAGI(汎用人工知能)を届けたいというビジョンを描いていいます。私たちが作るシステムで、全人類の異なる価値観を反映する方法を見つけたいと思っています。
孫 日本で写真を撮って、AIモデル「o1」に「これどこだと思う?」と聞くと「ここじゃない?」と返事がありました。とても驚き、素晴らしいなと思いました。GPSは使っておらず、写真に写る石などから推測して場所を言い当てたのです。
また「大阪弁でジョークを言ってみて」と指示をしても答えてもらえたし「それがなぜ面白いのか解説して」と依頼しても回答がありました。特定の文化や文脈も理解していたのです。o1は毎日使っていますが、今でも驚き続けています。
本日(2月3日)、企業向けAI「Cristal」を発表しました。例えば、ソフトバンクグループの情報をソースコードにして読み込ませようとするだけでも、高い計算能力が必要になります。サムは自信を持っているんですよね。日本のインフラ環境には、大量のソースコードを読み込ませるだけの十分な見込みがあると。
サム はい、自信を持ってそれができると思っています。
孫 素晴らしいですね。みんなの前で「大丈夫」と、いとも簡単に「やれるよ」と言ってくれました。
サム あなたもそう思っているでしょ?
孫正義氏が見据える「長期記憶」の活用ビジョン
孫 また、今はまだ確立していない「長期記憶」という技術について、これはいつやってくると思いますか?
サム この2~3年だと思いますね。もしかしたらもっと早いかもしれません。AIモデルにおいて、長期記憶はとてもに重要な技術になっていきます。会社の全てを理解するAIができれば、それは非常に大きな一歩になると思います。
孫 私が取得した長期記憶に関する特許があります。そのコンセプトを説明します。
今私たちは、顔の表情や声の調子などを理解して話をしていますが、その会話を全てテキストに変換します。その後、声のトーンや顔の表情などから感情をマッピング、指標化し、250種類ほどの感情に分けます。
そこから、恐怖や怒りなどの感情がどれほど湧いているか、1から10のスケールで示します。例えば、とても怒っている場合は「10」と表記し、250の感情のうちどれに分類されるかを示す。それらを長期記憶に保存するのはもちろん、画像や映像も長期記憶として蓄積していくのです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia AI+に関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
よく見られているカテゴリー
アクセスランキング
-
1
JASRAC、「AI作曲・人間作詞」の曲は管理します――「人間の創作的寄与の有無」で線引き
-
2
公式がワンコーラス公開→AIで無断フルコーラス化、拡散 大原ゆい子氏「無職転生III」OPが被害
-
3
「日本がいないと成り立たない」世界へ、フィジカルAIが導く独自の交渉力
-
4
ChatGPTで広告表示へ 無料・Goプランが対象 6月22日にポリシー更新
-
5
「もはや宗教」のClaudeに焦るOpenAI 流出メモが暴いた覇権交代のリアル
-
6
“AIが電力使いすぎ問題” 「電力不足」懸念で、発電能力より深いボトルネックとは
-
7
データセンター建設に足りないのは「発電」ではなく「送電」 AI需要で電力消費26%増、Gartner予想
-
8
「Siri AI」の進化に「Geminiそのまま」の誤解――現地取材で見えた“新生Apple Intelligence”の全貌
-
9
サッカーW杯、偽ライブ配信サイトに注意 生成AIで詐欺が巧妙化 Acronisが警告
-
10
AIエージェントもフィッシング詐欺に引っかかる? 米セキュリティ企業がOpenClawで検証 結果は……
SpecialPR
ITmedia AI+ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmedia AI+をフォロー
あなたにおすすめの記事PR