“本気”のモバイルマウス――V500 Cordless Notebook Mouseマウス(3/3 ページ)

» 2004年12月10日 10時00分 公開
[岩城俊介,ITmedia]
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電波到達距離10メートルとなる2.4GHz帯無線を採用

 V-500は、ロジクール製ワイヤレスマウスではおなじみの、27MHz帯を使う「Fast-RFテクノロジ」ではなく、周波数ホッピング(Frequency Hopping)方式の2.4GHz帯無線を採用している。これにより到達範囲が10メートルと格段に広がった上、多数のワイヤレスマウスユーザーがいる環境においても、混線などの障害が事実上なくなるといったメリットが挙げられる。

 到達範囲10メートルで周波数ホッピング方式2.4GHz帯無線といえばBluetooth規格があるが、基本的には似たものと思われる。

 27MHz帯無線を使用するワイヤレスマウスにはレシーバー、本体双方に「Connect」ボタンがあり、このボタンでチャンネルを合わせる仕組みとなっているが、V-500はそのようなボタンはなく、ユーザーによるチャンネル合わせの操作は必要ない。なお同社によると、同時使用ユーザーが20名を超えても混線や干渉することはないという。

 また、解像度1000dpiの光学センサーを搭載するのも特徴の一つだ。

 試用している1週間、自宅、会社、喫茶店、取材先などさまざまな素材、色のテーブル上で使ったが、あるおしゃれ系喫茶店の汚れや傷、指紋さえ付いていない透明ガラステーブル以外は問題なく操作できた。

 例えば従来までモバイル用として使っていたMDO-30は、木目などの柄や模様があるテーブルはまったく問題ないが、白一色の光沢のあるテーブルはどうしても苦手のようだ。筆者行きつけの喫茶店はまさにこれで、操作感が悪いため、下にノートを敷いてマウスパッド替わりにして使うこともあった。

 透明なガラス上は光学センサーの仕組み上仕方ないとして、白い机などはそこら中にありふれている。改めて光学式マウスの苦手な真っ白な面において、動作テストを行ってみることにした。なお、各マウスのカーソル速度や加速度は、どれもほぼ同じになるよう調節した。

ブランド不明のリサイクル普通紙

photo 上から、ロジクール「MX-510」、「MDO-30」、マイクロソフト「Wireless Notebook Optical Mouse」、「V-500」。表面はややざらざらしており、光沢も少ないので4機種とも操作はできる。ただ、MouseWareをインストールしていないため400dpiとややスペックが劣るMDO-30のみ、若干カーブが角張っており、ところどころでカーソルがワープするような挙動を示した

キヤノン「高品位専用紙」表面

photo 光沢度が高い高品位専用紙では、MDO-30は操作不可能に、Wireless Notebook Optical Mouseも画像ではほどほどうまく描けてはいるが、カクカクの操作感だった。MX-510とV-500は問題なし

コクヨ「写真高画質光沢紙」表面

photo 傷一つない、つるつるテカテカの写真光沢紙では、残念ながら全滅してしまった

 さすがに写真光沢紙上ではうまく動作しなかったが、操作時における実感値としては、デスクトップ用のMXエンジン搭載有線マウス「MX-510」と変わらない印象を持った。これならどの机上で作業する場合であっても困ることはなさそうだ。


 V-500は、2.4GHz帯無線を採用するワイヤレス技術や、静電方式のスクロールパネルという、今までのモバイル向けマウスにはなかった機能が搭載されていることで、価格はやや高価な7480円(ロジクールオンラインストア価格)となる。

 とりわけ、モバイル専用マウスは「場所によっては使える」とか「単に小型」というだけではダメなのだ。なぜならノートPCには、トラックパッドないしトラックポイントといったポインティングデバイスが付いているからである。それより使いにくいのであれば、わざわざモバイルマウスを接続して使う必要などないし、そもそも携帯する必要もない。

 どうせならBluetoothにして欲しかったとか、ボタン割り当てなどのカスタマイズ項目が少ないといった個人的なマイナスポイントはあるが、いままで使っていたモバイルマウスとの差を認識しまった今、もう元には戻れない気がする。別に意識して集めているわけではないのに、また一つコレクションが増えてしまいそうである。

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