「あの人、打ち合わせのたびに同じこと言ってるよね」――。こんな人、あなたの周りにいませんか。「アイデアマラソン」をやり始めれば、どうでもいいようなことを繰り返し言わなくなるという。
「あの人、打ち合わせのたびに同じこと言ってるよね」「そうそう、いつも却下されるのになんで同じことを言うんだろう」――。こんな人、あなたの周りにいませんか。「アイデアマラソン」をやり始めれば、どうでもいいようなことを何度も言わなくなるという。
本誌読者プレゼントにも提供していただいた「アイデアマラソン手帳」。この実践方法をご紹介しよう。
まず「アイデアマラソン」とは何か――を説明する必要があるだろう。提唱する樋口健夫氏(アイデアマラソン研究所所長)によれば、思いついた発想をどんどんメモする発想法だ。
この発想は必ずしもビジネスに関係のあることに限ることはない。「トイレに行っといれ」などのダジャレから、「今日は100万円売るぞ」といった本日の営業目標まで、とにかく思いついたオリジナルな発想を書き込んでいく。個人的なことを書き込んでもいい。日記はやったことだけを書くが、アイデアマラソンでは今後の決意などこれからの発想を書き込む。まさに未来に向けた発想法なのだ。
そうはいっても、いざ手帳を前にするとなかなか書き込めない人も少なくない。書くからにはそれなりに役に立つものを――という思いが強い人ほど気軽には書けなくなるものだ。
だが、「だからこそ、下らないことこそ書き込むべきだ」と樋口氏は強調する。「いつも同じようなことを言い続ける人は周りにいませんか。どうしようもない思いつきは、メモに書かないといつまでも思いついて、口に出てしまうのです」。つまり、書くことによってどうでもいいような発想を整理し、下らないことを繰り返しいう行為を防止する効果があるという。
発想したアイデアを手帳に書いて「終わり」というわけではない。このアイデアを同僚や友人、家族に話してみることが肝心なのだという。人に話すことでアイデアが広がる。「これまで書き溜めてきたアイデアが納豆菌のようにいろいろなアイデアとくっついてきます。発想が広がるのです」
アイデアマラソンを実行するのに特に制限はない。読者プレゼントで多数の応募があったアイデアマラソン手帳でもいいし、普通の大学ノートでもいい。いつも使っている手帳に書き込むのもありだ。デジタル化してPCで管理したいなら、発売されたばかりの「アイデアマラソンスターターキット for airpen」を使うのもいいだろう(9月26日の記事参照)。
樋口氏の定めたルールは3つ
これらのルールが実践できれば、ハードには依存しない。このほか、やや細かい指摘になるが
などに留意すると、より充実するはずだ。
なお、「アイデアマラソンスターターキット for airpen」を試すことができたのでさっそくご紹介したい。
アイデアマラソンスターターキット for airpenは、アイデアマラソン手帳とぺんてるの「airpen」を組み合わせたもの。airpenを使って、日々書き留めたアイデアをデジタル化。PCにシームレスに取り込めるのが特徴だ。当初は、JPEG画像に変換可能な独自形式のファイルとしてのみ取り込めたが、2006年5月からは手書き文字をテキストデータに変換できる「InkMagic for Airpen」の30日間体験版を同梱するようになった。
スターターキットの開発には樋口氏の意見が強く反映されたという。もともとairpenを試したこともある樋口氏だったが、当初は画像データとしてしか取り込めないこともあり、アイデアマラソンとの組み合わせは難しいと考えていた。しかし、その後InkMagicを同梱。さらに、樋口氏の希望するA5ファイルノートへの対応が技術的に可能になったことなどによって発売にこぎつけた。
なお、airpenでは、デジタルペンの位置をメモリユニットが超音波と赤外線を用いて三点測量する。通常版ではメモリユニットがノートの脇に装着されるのでリング部分は読み取りの障害にならなかったが、横方向にめくるファイルノートの場合、中央のリング部分が障害になってしまう。そのため、ノートの上部にメモリユニットをレイアウトした。
ユニットは取り外し可能で、普段使っているノートにも取り付けられる。重さは60グラム弱で直接ノートの紙に取り付けるとバランスが悪くなるが、少し硬めの下敷きなどを利用すれば自分の好きなノートでairpenが利用できる。
さて、せっかく体験版が入っているのでInkMagicのテキスト変換を試してみた。InkMagic自体は、フランス製のソフトなので横書きのみに対応。ぺんてるに伺ったところ、事前のテストで250字程度の横書き文章を認識させたところ、約93〜98%程度の認識率だったという。ちなみ「ITmedia Biz.ID」と書いてみたところ、アルファベットということもあり完璧に認識してくれた。
取材に応じてくれたぺんてるの田島宏氏(電子ペン営業部企画開発課係長)によると、今後はInkMagicの学習機能を日本語化するという。この機能は、ユーザーの文字のクセなどをInkMagicに覚えさせることによって文字の認識精度を向上させるものだ。すでにアルファベットなどの欧米言語には対応しているが日本語の対応が遅れていた。
「airpenユーザーはマニアなガジェット好きが多いです。IBMのCrossPadユーザーもいるんですよ」と田島氏。ユーザーはそれほど多くないもののマニアが多い分、使い方にも工夫がある。「ソフトウェア技術者のユーザーは、メモに利用するのではなく作業工程のフロー図などを描いているようです。図形のようなものをさっと書くにはデジタルペンが優れていますから」
今後は、デジタルペンのペン先に搭載された超音波と赤外線の発信ユニットを小型化させ、文字を書くときにペン先が隠されないようにしたり、メモリユニットのダウンサイジングを図るとしている。
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