新サービスを次々と登場させるGoogleだが、サービス間の連携は今ひとつだった。GmailとGoogle Spreadsheetが“できて当たり前”の連携を実現したことで、さまざまな連携強化への期待が高まる。
Webメールサービスの草分けとして、さまざまな活用法が編み出されているGmailだが、今後はGoogle Officeともいえる「Google Docs & Spreadsheets」(10月11日の記事参照)との連携が進んでいきそうだ。
WordやExcelのファイルをGmailで受け取ると、これまでも「HTML形式で表示」を使うことで、本文や表組みなど簡単な内容を見ることはできた(7月11日の記事参照)。しかしファイル内の画像が表示されず、編集もできない。あくまで補助的な閲覧でしかなかった。
今回、英語モードのGmailが改良され、次の2つの機能が追加されている(日本語モードでは利用できない)。
改めて考えてみれば、どうして今までできなかったのかが不思議なくらい。Excelファイルについては、メールでのアップロードもできなかったわけだが、これで少しは楽になる。
複数のタブを持ったExcelファイルも、しっかり再現されている。もともとGoogle Spreadsheetにはグラフ機能がないため、その情報が失われてしまうのは玉にキズ。
またGmailのファイルを開くことはできるが、その逆は現在のところできない。つまりGoogle Docs & Spreadsheets上のファイルをメール送信しようと思ったら、いったんPC上にファイルをダウンロードしなくてはならない。
Wordファイル内の画像が見られるようになったことで、かなり再現性が増した。ただし、表示される画像はWordの表示モード「下書き」で表示されるレベルだと考えていい。例えば、本文を回り込ませるなど凝ったレイアウトの画像は、Wordの下書きモードで表示されず、Gmailでも表示されない。
ちなみに「Google Docs」にアップロードすれば、こうした回り込ませた画像も表示できる。しかしExcelファイルとは違い、現状Gmailに添付されているWordファイルを、直接Google Docsに受け渡すことはできない。いったんダウンロードしてアップロードするか、Google Docsで指定されているアップロード用メールアドレスに転送しなければならない。
Google Spreadsheetでできて、Docsでできないあたりに元Writelyサービスとの統合が不完全なことを思わせる。
例えば筆者は、Gmailで受け取ったメールを編集して印刷するということがしばしばある。現在は、Gmailを開いて本文をコピーし、Google Docsを起動してペーストして、編集して印刷──という操作をしている。どうして「Google Docsで開く」というリンクがないのか、全くもって疑問だった。
この方向への機能強化が進むなら、筆者が期待したいのは次のようなものだ。
つまり完全にオンラインで完結して作業を進められるようになることだ。Googleはオンラインストレージ機能の開発も進めているといわれており、OSのファイルシステムを使わずに、それぞれのサービスが連携することの重要性はますます高まる。これまで次々と新サービスをリリースしてきたGoogleだが、サービス間の連携はほとんど取れていなかったのが現状だ。GmailとGoogle Docs & Spreadsheetsの連携は、小さなことながら、今後の発展を期待させる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.