わざわざ足を運ばなくても、常時接続の普及で知り合いの在席状況を手軽に確認できるようになった。
「在席している/いない」を判定する基準はいくつかある。代表的なのが、PCの稼働状態をもとに判定する方法だろう。PCの電源が入っているかどうか、またアイドル状態か否かで、その人が置かれている状態を判断するわけである。
PCの電源が入っているかどうかを知るシンプルな方法は、コマンドプロンプトからPINGを打ってみることだ。対象のPCから反応が返ってきたら電源はオン、反応がなければ(たいていの場合は)オフということになる。
ただしこの方法は、相手のPCのIPアドレスを知っていることが前提になる。相手にグローバルIPアドレスが割り当てられていない限りは、同一LAN内でしか利用できなさそうだ。遠隔地のネットワーク、例えば支店にいるメンバーの在席確認は難しいだろう。PCの電源を入れたまま外出する場合もあるだろうから、せいぜい出社/退社の確認程度にしか使えない。
各種インスタントメッセンジャーを利用する方法は手軽だ。たいていは無操作状態が一定時間続くとステータスが「退席中」に変わるため、相手がリアルタイムでPCの操作をしているかどうかがかなり正確に判断できる。多数のメンバーの管理も容易だし、インターネット経由なので海外支店であっても在席確認ができる。そのままチャットや音声通話を行ったり、ファイルをやりとりできるメリットもある。
ただし、自分/相手の双方がIDを持っていて、かつ相互にメンバーとして登録されていることが前提。また、ステータスを常に「オフライン」に設定しているユーザーもいるので、相手に応じてステータスの“読み方”を工夫する必要があるかもしれない。そもそも、自分の在席状況が相手に筒抜けになってしまうこともあり、ある程度の信頼関係がないと使い続けるのは難しい。
相手が“mixi中毒”ならmixiの最終ログイン時間を参考にするという方法もある。とはいえ、定期的にmixiにログインする人でなければあまり参考にはならないかもしれない。Windowsの共有フォルダをお互いに設定しておくのも方法だ。相手のフォルダを開くことができれば、少なくともネットワークにつながった状態になっているといえそうだ。ただ、「そこまでやるか」という気がしないわけでもない。
お金をかける方法としては、ネットワークカメラで部署全体の様子を撮影し、LAN経由で在席状況を見られるようにする方法もある。ハードウェアの追加こそ必要だが、廉価な製品なら1〜3万円程度で入手できるため、それほどコストパフォーマンスが悪いわけではない。むしろ「監視されている」というニュアンスが強くなるのと、ネットワークの帯域を食うことが問題だろう。
このほかにも、会社単位のソリューションとして、在席確認機能があるグループウェアを導入する方法や、出勤/退勤を表示する機能を持った勤怠システムを利用することも考えられる。この世界、まだまだ奥が深そうだ。
方法 | メリット | デメリット | |
---|---|---|---|
1 | PINGを打つ | ほかのアプリをインストールすることなく初期状態で実践できる | 相手のIPアドレスを事前に知っておく必要がある |
2 | IMを使う | ステータスも表示するので相手の状況を手軽に確認できる | 確認したい相手を事前に登録する必要がある 相手と同じIMを利用しなければならない ステータスの“偽装”も |
3 | mixiの最終ログイン時間を確認 | mixiにログインできるほど手が空いているかどうかがわかる | mixiに定期的にログインする相手でないと参考にならない |
4 | Windowsの共有フォルダをお互いに設定する | 少なくとも相手がネットワークにつながっているかどうかは分かる | そのためだけに共有フォルダを設定するのは難しい 相手のステータスは分からない |
5 | ネットワークカメラで監視する | 相手の様子を画像で確認できる | “監視感”が強い 費用がかかる ネットワークの帯域が占有される |
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.