オープン直前の「東急ハンズ銀座店」。最近の手帳やノートのキーワードは“オヤジ回帰”だという文房具売り場の担当者に、ハンズで売れ筋の手帳やノートを聞いてみた。
9月1日、銀座マロニエ通りの入り口にオープンする「マロニエゲート」。その5階から9階までを占めるのが「東急ハンズ銀座店」である。6階文房具売り場「カラフル・ステーショナリー」を担当する笹川有子さんに、ハンズで売れ筋の手帳やノートを聞いてみた(関連記事その1、その2)。
最近の手帳やノートのキーワードは“オヤジ回帰”だという。ここ数年シンプルなものが好まれる傾向にあったが、2007年は「本革」「金付け」といった、どちらかというと「重厚」であったり「派手」だったりする製品が増えているという。
本革というと高級システム手帳や海外の高級ノートなどには従来から使われており、国内メーカーの2007年モデルでも本革製品が出てきた。例えば、都内で手帳を製造するCoated Design Graphicsの手帳「EXPERT」である。サイズは126×180×13ミリ(幅×奥行き×高さ)で価格は6090円。1月の予定を閲覧できる月間スケジュールのほか、バーティカルタイプの週間スケジュールも備えている。
ロルバーンなどのノートを製造しているデルフォニクスのノート「Leather Notebook」も本革製だ。サイズはロルバーンと同じ110×138ミリだが、価格はおよそ3倍の1050円。「EXPERTもLeather Notebookも使いきりのタイプだが、高級感が受けているようだ」とのこと。
本革製のリポートパッドを購入するユーザーも増えており、リポート用紙の売れ行きが変わったという。付属のリポート用紙を使い切ったユーザーは純正リポート用紙を買い足すのではなく、安価なリポート用紙を購入しているというわけだ。「これまでリポート用紙というと学生が主な購入層だったが、最近では社会人の購入も少なくない」という。
一方、「金付け」も増えている。手帳の天地や小口を金色に塗ることを「金付け」といい、特に天地と小口を金色に塗るものを「三方金」と呼ぶ。「金付けは“オヤジ”的な手帳の代名詞だったが、最近は返って新鮮に感じられるようで若者向け手帳にも増えている」という。「景気がいいと派手になる」と言われるが、手帳やノートにも景気回復の波が押し寄せているのかもしれない。
さて、笹川さんイチオシの手帳メーカーは、先ほどの「EXPERT」を製造しているCoated Design Graphics。銀座店では数十種類を揃えており、特に細身の「KILO」がオススメだという。
大きさは93×175×13ミリで価格は1890円。ページを開くと見開きで2週間のスケジュールを確認できること自体はそれほど珍しくないが、スケジュールが蛇腹になっていて、広げると前後数週間の予定を確認できる。1カ月単位の長期プロジェクトも確認可能で、「超」整理手帳のように使えるわけだ。また、付属のしおりは厚紙製でゴムバンド付き。下敷きと手帳が開くのを防ぐ役目も兼ねている。
「これは売れると密かに確信している」というノートも教えてくれた。それはコクヨの「フィラーノート」だ(2006年9月の記事参照)。フィラーノートは複写式のノート。東急ハンズ銀座店では、B5(577円)、A5(367円)、B6(315円)の3種類を販売している。
笹川さんによると東急ハンズでは、これまで複写式のノートというとコクヨの「複写メモ」しか用意していなかった。「業務用の複写メモはそれなりに売れているが、選択肢がなかった」という。フィラーノートの価格は複写メモ(B7サイズで168円)に比べると高めだが、銀座という土地柄「売れるはず」と自信をのぞかせた。
さらに文具売り場では、パイロットの“消せる”ペン「フリクション」シリーズ(3月5日の記事参照)でボール径が0.5ミリの新製品(210円)を先行販売するほか、シュレッダーはさみ(2006年9月の記事参照)の新製品なども販売する。
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