動画配信する側の“抵抗感”を減らす3つの小技デジタルワークスタイルの視点

動画配信サービスを利用してアピールしたいと思っても、オフィスなどで試そうと思うといろいろな制約があります。そこで配信する画像をリアルタイムで編集できる「ManyCam」を使って、配信する側の“抵抗感”を減らす小技を紹介しましょう。

» 2007年09月12日 19時17分 公開
[徳力基彦,ITmedia]

 「無料でライブ配信できる3つのサービス」で、複数の動画配信サービスをご紹介しました。ところでオフィスなどで動画配信を試そうと思うと、周囲の迷惑を考えて声を出せなかったり、情報保護の観点からオフィス内を写せなかったりといろいろな制約があると思います。

 そこで紹介したいのが、配信する画像をリアルタイムで編集するソフトの活用です。筆者がお勧めするのは、「PCの画面を“録画”する3つの便利ツール」の記事でも紹介した「ManyCam」。記事中ではデスクトップをスクリーンキャストする手段として紹介しましたが、ほかにも面白い機能がいろいろあるのです。今回は、動画配信のハードルを下げるために、ManyCamを利用した小技を紹介します。

ツール名 利用料 対応OS
ManyCam 無料 Windows Vista/XP/2000、Windows Server 2003

動画配信の抵抗感を減らす3つの小技

  • アクセサリで顔を隠す
  • クロマキーで背景を隠す
  • テキストメッセージを使ってみる

アクセサリで顔を隠す

 まず、この手のソフトで王道なのが、顔に何らかのアクセサリをかぶせて表示させる機能です。ManyCamでは「Effects」タブから「Face accessories」をクリックすると、眉毛やメガネ、帽子、お面、モザイクなど、さまざまなアクセサリが選べます。

「Effects」タブから「Face accessories」をクリック
眉毛やメガネ、帽子、お面、モザイクなどのアクセサリが選べる

 こちらは「手軽にライブ配信できる便利なWebカメラ」でご紹介したロジクールの「Video Effects」と同じような機能ですが、ManyCamであればWebカメラに依存せず、誰でも利用できてしまうわけです。

 アクセサリとしてお面を選ぶと、顔の場所に位置を自動的に調整してアクセサリを表示するので、顔だけ隠して動画配信することも可能です。初めての動画配信は、やはり自分の顔がずっと出ていることに抵抗を感じる人も多いでしょうから、この機能をまず使ってみましょう。

 ただし、位置調整の精度は「それなり」と考えていたほうがいいです。調整に失敗してアクセサリが変な位置に表示され、自分の顔は丸見えになったりすることもありますので、ご注意ください。

顔を激しく振ったりするとエフェクトがはずれることもある

クロマキーで背景を隠す

 アクセサリに「顔を隠して背景だけを表示させる効果」があるとすれば、全く逆のことをするのがクロマキー合成です。クロマキー合成とはテレビや映画でよく使われる手法で、背景に別の映像をはめこむテクニックのこと。ManyCamでは「Effects」タブの「Backgrounds」メニューから利用できます。

 Backgroundsで背景を選択すると、まず元となる写真を撮ることになります。その写真を元に自分のいる位置をManyCamが認識してくれるので、動画の背景に選択した画像や動画が自動的に表示されるというわけです。無料ソフトですから、さすがに完璧な合成というわけにはいきませんが、にぎやかしとして使うだけでなく、動画配信をしている最中に部屋の様子を見せたくない場合などにも使えるはずです。

「Effects」タブの「Backgrounds」をクリック
スナップショットを撮る

こんな感じで映る

テキストメッセージを使ってみる

 紹介してきた2つの機能と比べると比較的地味ですが、結構役に立つのがテキストメッセージです。動画とテキストの組み合わせの面白さは「ニコニコ動画」がすでに十分すぎるくらい実証していますが、ManyCamでは「Text over Video」メニューから、テキスト入力画面を表示できます。

「Text over Video」メニューから、テキスト入力画面に
字数が長くなってもスクロール表示してくれる

 画面に表示する文字にはアンチエイリアスがかかっていないため、あまり奇麗ではありませんが、それでも文字としてははっきり伝わるはずです。日本語も入力できますし、文字サイズや文字の色を変更できるため、たとえば声を出すことができない環境で動画配信をするときでも、文字を使って簡単なメッセージを伝えられるわけです。

 文字数がウィンドウの横幅をオーバーした場合、新幹線の車内掲示板よろしくメッセージをスクロールして表示します。長いメッセージを入れておいて、連続してスクロールさせておくことも可能です。


 このほかManyCamには、太陽やピストルなどの画像を画面に配置したり、雪を降らせたりといった面白い効果がたくさんあります。

 動画配信は、普通にWebカメラで自分を撮っているだけだと何も変化がありませんからすぐに飽きてしまう人も多いようです。そんなときには、こういったソフトをうまく活用してみるといいでしょう。

筆者プロフィール 徳力基彦(とくりき・もとひこ)

 NTT、ITコンサルを経て、2002年にアリエル・ネットワークに入社。情報共有ソフトウェアの企画や、コンサルティング業務に従事。2006年からは、ブログネットワークのアジャイルメディア・ネットワーク(AMN)設立時からブロガーの1人として運営に参画する。2007年7月にAMNの取締役に就任。最新のネットツールや仕事術に関する複数の執筆・講演活動も行っている。

 個人でも「ワークスタイル・メモ」と「tokuriki.com」など、複数のブログを運営するなど幅広い活動を行う。著書に「デジタル・ワークスタイル」「アルファブロガー」などがある。


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