「昨夜、お客さんと盛り上がって、かなり散財しちゃいましたよ」「昨日の客って○○社の△△さんだろ? 分かる、分かる(笑)。ところで領収書は取ってるか?」
大手総合商社・メデア商事の営業部3課の新人・小林ケンタは先輩・高柳ワタルと昼飯を食べていた。
小林 昨夜、お客さんと盛り上がって、かなり散財しちゃいましたよ。
高柳 あぁ、昨日の客って○○社の△△さんだろ? 分かる、分かる。
小林 そうなんですよぉ〜。それで調子に乗っちゃって……。
高柳 あぁ、それも分かるな。ところで領収書は取ってるか?
小林 はい、一応……。
高柳 う〜ん、交際費として認められるか分からないけど、取り敢えず申請だけはしてみろよ。
小林 でも申請って面倒なんですよね……。今までも交通費とか、いろいろと立て替えたりしていたんですけど、面倒なんで後回しにしているうちに期日を過ぎちゃったり。
交通費に限らず、会社の業務でかかった経費を立て替えることは珍しくない。しかし、ありがちなのが、立替の申請をし忘れて、そのまま“自腹を切る”ことになってしまうこと。そんな「申請忘れ」を防ぐための工夫を考えてみよう。
高柳 オレは「領収書ボックス」を作って、そこに未処理の領収書を入れておいてる。とにかく財布に入れっぱなしにしないことが大事だ。そしてカレンダーやスケジューラに申請期日を目立つように書き入れておく。さらに、ボックスに入れた領収書の束の上に期日を大きく書いた紙を入れておくことで、ボックスに領収書を入れるたびに、必ず期日を目にするようにしておくんだ。
小林 なるほど、それで申請忘れしないようにするわけですね。でも申請の書類自体、作るのが面倒じゃありませんか?
高柳 申請書類のテンプレートがあるだろ? それを更に自分用に必要な項目を入れた状態で持っておくんだ。所属とか名前とか。それと交通費の場合なら、よく使う経路をあらかじめ書いておくとか。
小林 でも何のために使った経費なのか、後で申請するときに分からなくなっちゃうことが多くて……。
高柳 確かに単なるレシートみたいな領収書じゃ、後で見ても分からないよな。だから、オレは領収書ボックスに入れるときに、裏に鉛筆で何に使ったものか簡単にメモしておくことにしている。タクシー代なら「どこからどこまでの移動」とか。最初は面倒かもしれないけれど、習慣付ければ大したことはないよ。
小林 なるほど、次からはそうしてみます。ところで交際費って今まで申請したことがないんですけど、領収書以外に何が必要でしょうか?
高柳 これも領収書の裏にメモっておくんだけど、出席した人の所属と氏名を列挙しておくんだ。とにかく必要なのは「領収書」のほかに「日時」「場所」「出席者の所属と氏名」といった情報だ。これだけは絶対に忘れないように。
小林 えっと、昨夜は△△さんと僕を入れて4人だけですから簡単です。とにかく、忘れないうちに申請しちゃいます♪
高柳 そうだな、それがいい。経費で落とせないかもしれないけれど、まずは申請してみないとな。ところで4人でいくら使ったんだ?
小林 ちょっと高級な店に行っちゃったもんですから、4人で10万ほど……。
高柳 おいおい……。
立替申請を忘れないためにしておきたいこと | |
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その1 | 領収書ボックスを用意して、そこに未処理の領収書を入れる |
その2 | 申請期日を記した紙を領収書ボックス内に目立つように入れておく |
その3 | 自分用に申請書類のテンプレートを作っておく |
その4 | 領収書の裏に何に使った経費か分かるようにメモしておく |
その5 | 交際費の場合は、日時、場所、出席者の所属と氏名を領収書の裏にメモしておく |
セキュリティ関連の話題を中心に執筆中のフリーライター。翻訳(英語、韓国語)やプログラミング、システム構築などコンサルなど活動は多岐に渡る。JPCERT/CC専門委員。Webサイトはこちら。
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