「今年ももう終わりですねえ。本当にあっという間でした」「ところで、正月休みの前にやっておかなきゃなんないことはちゃんとやったか?」――「年明け、やらなきゃいけないこと」リストを作成しておくのだ。
大手総合商社・メデア商事。営業部3課の小林ケンタは課の先輩・高柳ワタルと昼飯を食べていた。
小林 今年ももう終わりですねえ。本当にあっという間でした。
高柳 特にお前の場合は、今年は社会人1年目ってことで激動の年だったんじゃないか?
小林 確かに生活は一変しちゃいましたけど、いい先輩に恵まれて、めちゃめちゃ幸せです♪
高柳 おだてても何も出ねえぞ(笑)ところで、正月休みの前にやっておかなきゃいけないことはどうした?
小林 正月休みの前にやっておくこと?
日本では、ほとんどの企業で年末年始の約1週間が休みになる。これだけの“空白期間”がありながらも、休み明けにはいきなり通常通りの仕事が始まる。そこで気を付けなくてはならないのは、休み前の時点で未完了の仕事や積み残した業務の詳細を、休みの間に忘れてしまうかもしれないということだ。
そのために、まず休み前にやっておくべきことは、休み明けの自分に宛てた「申し送り事項」を整理してまとめておくことだ。具体的には、年明けにやらなければならないことを日程とともに可能な限り詳細に記しておく。「年明けやらなきゃいけないことをリスト」を作成するのだ。
ほかにも年始特有の業務、例えばお客様への年始のあいさつ回りも、どこにどのような順番でどのようなスケジュールで回るのかをあらかじめ整理しておくとよい。
このように年明けの自分がすべきことを休み前に整理して記しておき、休み明けにそれを見さえすれば、すぐに業務がつつがなく始められるようにしておくことで、逆に正月休みには仕事のことを忘れて、ゆっくりと休めるのだ。
高柳 ほかにも細かいことだが、仕事始めの前日に、仕事関係の報道だけじゃなく、ITセキュリティ関係の話題も目を通しておくといいかな。
小林 仕事関係の報道に目を通しておくのは分かりますけど、セキュリティ関係の話題は別にいいんじゃないですか?
高柳 確かにセキュリティについては、情シス(情報システム部)が気にしていればいいことではあるけれど、一般の社員も知っておいたほうがいい場合もあるんだ。ある意味『心の準備』ってとこかな。
長期休暇中にウイルスやワームが蔓延し、休み明けにPCの電源を入れたとたんに「感染して大騒ぎ」というケースはこれまでにも何度となくあった。
根本的な対策は基本的に情報システム部をはじめとするシステム管理者が担うべきものであり、一般社員が直接何かをするというものではない。だが、利用者にすぎない一般社員も、PCやインターネットを“今”使う上で気を付けなくていけない問題があるのか否かだけでも知っておくといい。
もし何か気を付けなければいけない点が本当にあるのであれば、情報システム部から何らかの注意喚起があると思われるが、場合によっては情報システム部が対応に追われるあまりに注意喚起が遅れている可能性もある。とにかく、そんな場合でも問題の存在さえ知っていれば、自ら情報システム部に確認を入れられるのだ。このような「心の準備」によって安心して仕事が始められる。
セキュリティ関連の情報を収集には、少なくとも以下のサイトには目を通しておこう。
オススメサイト | |
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マイクロソフトTechNetセキュリティセンター | WindowsやOfficeに関するセキュリティ情報 |
JVN(Japan Vulnerability Notes) | JPCERTコーディネーションセンター(JPCERT/CC)と情報処理推進機構(IPA)による脆弱性対応情報公開サイト。国内ソフトの情報も多い |
JPCERT/CC | 未対応の情報も含めてセキュリティ情報を配信する |
小林 やること、いっぱいありますね……。
高柳 ま、これだけやっておけば、安心してゆっくり休めるし、休み明けもスムーズに仕事が始められるってわけだ。
小林 はい!
セキュリティ関連の話題を中心に執筆中のフリーライター。翻訳(英語、韓国語)やプログラミング、システム構築などコンサルなど活動は多岐に渡る。JPCERT/CC専門委員。Webサイトはこちら。
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