新人研修を担当する講師の3つのメリットBiz.ID Weekly Top10

「新人研修の講師って面倒だなあ」と思う方もいらっしゃるだろう。職業で講師をしている人はともかく、日ごろの業務が忙しい人ならなおさらだ。でも、ちょっと待ってほしい。新人研修は講師にとってもメリットがあるのではないだろうか。

» 2008年03月07日 19時52分 公開
[鷹木創,ITmedia]

 先週は、連載「新入社員がやってくる──専門知識を教える技術」の第1回第2回がアクセスランキングの上位に入った。4月には新入社員が入ってくるというタイミングもあってか、読者の注目を集めたようだ。本日、第3回を掲載したので、併せてご覧いただきたい。

 そろそろ新人研修の講師も決まってくる時期だが、講師役を任された人の中には「面倒だなあ」と思う方もいらっしゃるだろう。職業で講師をしている人はともかく、日ごろの業務が忙しい人ならなおさらだ。でも、ちょっと待ってほしい。新人研修は講師にとってもメリットがあるのではないだろうか。

 まず第1のメリット。それは「教科書」を作る段階にある。新人に何かを教える場合、仕事の内容がまとまったドキュメントがあると分かりやすい。このドキュメントを作っていくうちに、おのずと自分の業務を精査できて、問題点が分かったりする。「敵を知り、己を知れば百戦あやうからず」というが、仕事ドキュメント作りはまさ己を知る作業になるだろう。

 第2のメリットは、仕事の基本を思い出せること。新人に教える内容は基本的なことになるため、教える側の社員は基本を振り返りながら教えることになる。仕事の効率をあげるために仕事道具や業務システムなどをカスタマイズしていればしているほど、基本からは離れて行ってしまうもの。新人研修は「初心忘れるべからず」の精神を思い出させてくれるのである。

 第3のメリットは、新人と仲良くなれることだ。少なくとも研修を通じて顔見知りにはなれる。こちらからすると新人は多くの社員のうちの1人だが、向こうからすればまだあまり知らない社員の1人。明らかにこちらの価値が高いわけだ。何年も同じ仲間と過ごしていると、知らず知らずのうち考え方や発想が同じようになってしまう。異質な新人たちと過ごすことで、新しい発想に結び付く可能性もあるのだ。

 と、偉そうに書いてみたがいかがだろうか。もちろん研修相手も人間だから、必ずしもうまくいくとは限らない。そんな人には、山本五十六のこの言葉――。「やってみせ、言ってきかせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」。「ティーチング」は「指示・命令」ではないという開米流にいえば、「やってみせ、言ってきかせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は育たじ」だろうか――。

編集部からのお知らせ

 今週の話題は3月4日に始まった「SECURITY SHOW 2008」。セキュリティというとなんだが難しそうで、地味な感じもするが、それなりに目を引く製品も多かった。「中小企業のセキュリティ対策」としてまとめておいたので、興味のある方はチェックしてほしい。


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