強化された「スマートロケーションバー」や、ブックマークへのタグ付け機能、サイトを開かずにアドオン追加など、新機能盛りだくさんのFirefox 3。日本時間の18日午前2時に公開となる。
日本時間の6月18日朝に公開が迫った「Firefox 3」。Mozilla Japanは6月17日、報道関係者向けに、Firefox 3の説明会を開催。新機能や機能強化について説明した。
Firefox 3で大きく変わったのは、アドレスバーの位置付け。これまではURLを表示したり、Web検索したりするためのものだったが、ここから過去の履歴やブックマークなどから検索できるようになった。この「スマートロケーションバー」では、例えば「music」と入力すると、今までアクセスしたことのあるURLやページタイトルの中から「music」を含むものをインクリメンタルサーチする。
またスマートロケーションバーの右端に表示されるスターのアイコンをクリックすることで直接ページをブックマークすることもできる。なお、ブックマーク登録時には、履歴検索の対象にもなる「タグ」も登録可能だ。
セキュリティ面では、アクセスしたWebサイトごとに暗号化の状況などを確認できるウィンドウを表示できるようになった。「EV SSL証明書」に対応しているサイトにアクセスした場合は、スマートロケーションバーの左に運営者情報も表示。国産暗号化技術「Camellia」もサポートした。
また、フィッシング詐欺サイト警告機能を強化し、ウイルスやスパイウェアなどのマルウェアが報告されたサイトも警告するようになった。偽装サイトや攻撃サイトのデータベースは30分ごとに更新されるという。
JavaScriptエンジンの改良などにより、パフォーマンスも大きく向上。AppleのJavaScriptベンチマーク「SunSpider」によるテストでは、先日公開されたOpera 9.5と比べても2倍程度の速さが得られ、Gmailメッセージ読み込みはInternet Explorer 7(IE7)の約7分の1の時間で行えるという。メモリ消費量も最小限に抑え「史上最軽量のFirefox」をうたう。
Firefoxの特徴でもあるカスタマイズ機能も便利になった。アドオン追加時にブラウザのアドオン管理画面から直接好きなアドオンをインストール可能。日本語版のFirefoxの場合は、日本語のアドオンしか表示しないため、「初心者でも簡単にアドオンを追加できる」(Mozilla Japan中野雅之マネージャ)という。
このほか、HTML 5のオフラインブラウズに対応。対応しているWebサイトであれば、オフラインでも利用できるようになった。さらに、アニメーションPNGやSVG、Canvasなどのグラフィックスにもデフォルトで対応した。これらに対応したコンテンツをアドオンなしで閲覧できる。
日本語環境では、URLの折り返し表示に対応し、URLに日本語が含まれた場合、デコードして表示する。IMEの状態を管理し、IMEがオンの時に、[Space]キーでスクロールしないなどの状況を解消したという。
「ただ単に新機能を追加していくのでは、ユーザーが覚えなければならないことが多くなるだけ。Firefox 3では、危険なサイトへアクセスしたときのセキュリティダイアログ文面をわかりやすくするなど、細かな点まで気を使った」(テクニカルマーケティングを担当する浅井氏)。ユーザーインタフェースをシンプルにし、「Firefoxを知らない、ブラウザに選択肢があることすら知らない」ようなユーザーに対しても訴求していくという。
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