Web上で動画編集する その1〜「ClipCast」3分LifeHacking

Webサービスを使った動画編集が、けっこう使えるようになってきている。国産の動画編集&共有サービス「ClipCast」は、テキストを載せたりフレームを付けたりが簡単にできる。

» 2008年07月01日 22時58分 公開
[斎藤健二,ITmedia]

 動画共有サイトにアップする動画は、どのように編集しているだろうか。そんなに凝ったことはやらないのでシンプルなツールでいい。さらにお金を掛けずに編集したい。そう思っているなら、オンライン上で作業する動画編集Webサービスの完成度がだんだん上がってきている。

 今回紹介する「ClipCast」はそんなサービスの1つ。大きな機能は下記の6つだ。

  • カット編集(動画から必要な部分だけを切り取って組み合わせる)
  • トランジション 5種類(動画と動画の切れ目をつなぐ効果)
  • エフェクト 色調、ぼかしなど11種
  • フレーム 70種
  • 文字載せ
  • YouTubeへのアップロード

アップロードから編集まで

 サインアップしたら「ビデオを編集」ボタンを押す。動画共有サイトだが、編集済みのビデオをアップロードする場合も、ここから入るので注意。


 編集するなら「本格編集モード」を選ぶ。簡単共有モードは、普通の動画共有サイトでいう動画アップロードと同じ。タイトルやタグなどを入力してファイルを指定するとアップロードされる。なおアップロードは20MバイトのファイルもOK、60Mバイトはアウトだった。


対応素材フォーマット
素材 フォーマット
映像 3GPP2、3GPP、AVI、FLV、M4V、MJPEG、MOV、MP4、MPEG、SWF、WMV
音声 MP3、WAV
静止画 JPEG、GIF、PNG
Xacti DMX-CG6で撮った、ちょっと特殊なH.264(Premire3では編集できない)も読み込み、編集できたのがうれしかった

 「本格編集モード」を選んだ直後。容量は500Mバイトだ。ここで「映像・音楽・写真のアップロード」を選ぶと、動画や静止画、音楽をアップロードできる。複数ファイルをまとめてアップロードすることもできる。面白いのは、編集前の素材を自分のフォルダに保管しておけることFlashベースの、よくできたインタフェースだ。

 続いて、動画作成にどの素材を使うか選ぶ。必要な素材をクリックすると赤い枠で囲まれるので、必要なものを選んでいく。クリエイティブ・コモンズライセンスの音楽が19曲用意されており、これらを無償で使えるのもありがたい。


 「シーンの切取に進む」を押すとこの画面が表れる。先ほど選択した素材の“どの部分を使うか”を選ぶ。IN点(ここから先の動画を使う)とOUT点(ここまでの動画を使う)を打つだけでいい。画面下部のタイムライン上のIN点とOUT点は、マウスのドラッグで移動させることもできる。慣れれば直感的だ。

 この画面で、素材のどの部分を使うか、すべて選択してから次のステップに進む。ただし、後で戻ってシーンの切り取りをやり直したり、追加したりすることも可能なので、行ったり来たりすればいい。


 先ほど利用する部分を選択した素材が表示される。これをタイムラインにドラッグ&ドロップして位置を決める。まるでローカルの動画編集ソフトを使っているような操作感だ。ちなみに、このステップで素材内の利用する場所を微調整することもできる。ただし、なぜか変更できるのはOUT点のほうだけ。

 ここでは、テキストの挿入や、フレームの選択、エフェクトの設定、トランジションも設定できる。テキストの表示やフレームは、同時に2個以上は設定できない。テキストは、位置移動などもドラッグ&ドロップで簡単だ。

 動画自体のサウンドと、音楽(MUSIC)は別トラックなので、重ねて1つの動画にできる。サウンドのオン・オフは可能だが、音楽のボリュームは調整できない。また、作成できる動画の最大の長さは3分のようだ。


 テキストを載せてフレームも入れてみた。


 この後は、タイトルや概要、タグを入れる。


 変換はもちろんサーバ側で行われるので、「続けて操作をする」を押して、別の作業をしていてもいい。エンコード中、CPUを占有しないのもうれしいところ。


 編集が終了した画像を、閲覧ページで開いたところ。「YouTubeに公開」というボタンがあり、YouTubeアカウントを登録しておけばYouTube APIを使って、YouTubeへの投稿が可能だ。


テキストは便利 動画の重ね合わせ以外はかなり良い出来

 ClipCast、動画の必要な部分を切り取って(必要なシーンの前後を削除して)、組み合わせて──という基本的な作業をするには十分な機能を持ったサービスだ。大きな動画ファイルでも、けっこう快適に動作する。正直、PC上で動画編集ソフトを動かすよりも、軽快に動く印象さえある。

 テキストを載せるのはかなりやりやすい。いろいろな動画の上に載せても判別しやすい14種類の文字種が用意されている。作業も簡単だが、同時に表示できるテキストは1種類だし、テキストを動かすこともできないので、ニコニコ動画のコメントのようなものを作るのは難しい。

 出力は480×360ピクセルのフラッシュムービーなので、編集してPC内に保存したりDVDに書き出すにはクオリティーが物足りないが、Webにアップするには十分だ。直接YouTubeへのアップロードが可能になったのも朗報だ。

 ちょっと一手間かけて編集するだけで、動画のクオリティーはぐっと上がる。こうした動画編集サービスを使って、ちょっとした編集を手がけてみてはどうだろう。

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