サバイバルジャケットを“カバン”にする樋口健夫の「笑うアイデア、動かす発想」

先日乗った飛行機では、手荷物の制限が20キロまでと言われてびっくり。というのも筆者のスーツケースは26キロほどに膨れ上がっていたからだ。その時、思いだしたのが旅行に持ってきていた“カバン服”である。

» 2008年07月11日 14時40分 公開
[樋口健夫,ITmedia]

 学生時代、オーストラリアに2年間留学していた。人格形成の大切な時代を過ごしたことから、筆者にとっては第二の母国といえる。ジェントルマンシップ、懸命に働く者を正しく評価すること、明るさ、そして素晴らしい自然。オーストラリアに留学していなかったら、筆者の人生は大きく変わっていただろう。

 留学した時には、全くお金がなかったので、筆者は大阪の船会社を回って、貨物船に乗せてもらうように頼んだ。そして乗船許可をもらったのは巨大な石炭運搬船だった。往路は台風でひどく揺れたが、ニューギニア近辺の夕陽が美しかったこと、忘れられない。2年後に帰国する時もその船。荷物は大きな段ボールで7個もあったから、今も昔も変わらないものだ。ただし船だったから、たくさん運べた。

 だが現在は事情が違うようだ。先日乗ったオーストラリア発の飛行機では、手荷物の制限が20キロまで。係員に「20キロは20キロ。1キロでもオーバーしたらダメです」と言われて仰天した。というのも筆者のスーツケースは26キロほどに膨れ上がっていたからだ。現地で購入した貴重な書籍をたくさん持っていたのだ。

 「服のポケット以外はだめですよ」と言われて、小さな本を背広のポケットに入れたが、まだ10冊もでかい本がある。「これはダメかな。超過料金を支払うか……」。その時、思いだしたのが旅行に持ってきていた“カバン服”。「フェールラーベン」というブランドのサバイバルジャケットだ。30個のポケットが付いているのが特徴だ。

フェールラーベンのジャケットを着た筆者

 季節はほとんど春。寒くはなかったが、その時に着ていた背広の上に、フェールラーベンのサバイバルジャケットを着た。そしてカバンの中の重い書籍を、ジャケットのポケットに1冊1冊入れ始めた。前のポケットだけでも厚い洋書が4冊、背中の部分にはA4サイズのポケットまで付いていて、そこに大きな本を3冊入れて、電源アダプターや変圧器まで入れたら、26キロあったスーツケースの重さは19キロまで下がっていた。

 ぽんぽんになって、重い服を着たまま再度チェックイン。こうして重量制限に「OK」を勝ち取ったのだった。

 このサバイバル服には、ビデオカメラやデジカメ、GPS、A5サイズのノートなど、何でも入る。ただし、当たり前だが重い。それを支えるのが自分の足だということは忘れないでほしい。

今回の教訓

サバイバルジャケットで重量制限もサバイバル――。


著者紹介 樋口健夫(ひぐち・たけお)

 1946年京都生まれ。大阪外大英語卒、三井物産入社。ナイジェリア(ヨルバ族名誉酋長に就任)、サウジアラビア、ベトナム駐在を経て、ネパール王国・カトマンドゥ事務所長を務め、2004年8月に三井物産を定年退職。在職中にアイデアマラソン発想法を考案。現在ノート数338冊、発想数26万3000個。現在、アイデアマラソン研究所長、大阪工業大学、筑波大学、電気通信大学、三重大学にて非常勤講師を務める。企業人材研修、全国小学校にネット利用のアイデアマラソンを提案中。著書に「金のアイデアを生む方法」(成美堂文庫)、「できる人のノート術」(PHP文庫)、「マラソンシステム」(日経BP社)、「稼ぐ人になるアイデアマラソン仕事術」(日科技連出版社)など。アイデアマラソンは、英語、タイ語、中国語、ヒンディ語、韓国語にて出版。「感動する科学体験100〜世界の不思議を楽しもう〜」(技術評論社)も監修した。「アイデアマラソン・スターター・キットfor airpen」といったグッズにも結実している。アイデアマラソンの公式サイトはこちら


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