揺れてる中でもサッとかぶれる? 命を守るヘルメット「いざ」への想定力が決め手、企業の震災対策&グッズ(1/2 ページ)

大地震が来るかもしれない。そう頭で分かっててもどうも危機感がない――なんていう人も多いだろう。従業員のこうした防災意識を踏まえ、企業はどう震災対策すればいいか。オフィスにいる時大震災が来た――と想定して考えてみた。

» 2008年08月02日 01時38分 公開
[豊島美幸,ITmedia]

 会社で行う避難訓練。「目の前にある仕事の方が大事」「どうせ避難訓練だから」といった理由や、「訓練より仕事」という職場の雰囲気から、訓練に参加せず業務を続けたという経験。また万が一訓練に参加しても、気恥ずかしさからついおちゃらけて振る舞った経験などはないだろうか。

小さな揺れは訓練、「本番」が想定できる意識改革が大切

 理屈ではいつ大地震が来てもおかしくないと分かっても、自分が巻き込まれるとはどうも想像しにくい。感覚として分からない。避難訓練不参加にはこうした心理が働いている可能性がある。

 防災ソリューション事業を手がけるコクヨS&Tは、「小さな揺れは訓練」だという意識を持ち、「揺れを感じている最中、その場で大地震が起きたらどう行動すべきかを想像するクセを付けておくといい」と、防災への心得を説く。

 企業ができる対策の1つに、従業員の防災意識を高められるよう、視界によく入る机周りに備える防災グッズを用意する――という方法がある。被災時はただでさえ動揺し、誰もが冷静な行動が取れない可能性が大きい。そんな精神状態でも「いざ」という時、用意した防災グッズが本来の威力を発揮できるよう、どんな点を従業員に喚起すればいいのだろう。

 オフィスにいる時、大地震が来たと想定し、考えてみよう。

頭を守るヘルメットや帽子、サッと取り出せる位置にコンパクトに保管を

 「地震が来たら机の下に潜りましょう」とよく言われるが、これは落下物から身を守りましょうというもの。予期しない物が頭上に落ちてくるかもしれない地震発生直後には、頭を守ってくれるヘルメットが重要だ。ヘルメット1つあれば、オフィスが危険な場合に別場所へ避難する際、救助に向かう際、帰宅する際の移動中にも役立つ。

 オフィスにはどんなヘルメットを備えておけばいいのか。

 いくら役立つ製品とはいえ机周りの作業スペースを取るようでは、それはそれでストレスになる。普段は邪魔にならないよう、コンパクトにまとまるものを用意したい。

コンパクトに折りたたんだ普段の「セーフティーハット」(左)と「タタメット」(右)

使用時の「セーフティーハット」。サイズは280×315×320ミリ(幅×奥行き×高さ)(左)。使用時の「タタメット」。サイズは235×315×175ミリ(幅×奥行き×高さ)(右)

 以前紹介したおにぎり型のヘルメット「タタメット」は、その点優れている。工事現場でよく見かける黄色い半円形のヘルメットは、頑丈な反面、折りたためないから場所を取る。だがタタメットは頑丈な上、ぺしゃんこに折りたためるのだ。真横から見ると三角おにぎり型になっており、この斜面が落下物を滑らせて、前だけでなく後頭部から首筋まで防御するという。

 コンパクトさでは負けていないのが、コクヨS&Tの帽子「セーフティーハット」。硬いヘルメットと違い綿製の帽子だから、重い落下物は防ぎようがない。だがガラスなどの飛散からは守ってくれる。後部の全面にかけて、すだれのように垂れ下がった「シコロ」と呼ばれる部分が、タタメット同様、後頭部から首筋まで防御するという。

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