“世界初”トリプルエンジン搭載 TraceMonkey採用の「Lunascape 5.0α」

Lunascapeは、「Trident」「Gecko」「Webkit」の3つのレンダリングエンジンを搭載したWebブラウザ「Lunascape 5.0α(Genesis)」を公開した。GeckoのJavaScriptエンジンには、Firefox 3.1に搭載予定の「TraceMonkey」を採用し、パフォーマンスが向上したという。

» 2008年09月16日 13時04分 公開
[杉本吏,ITmedia]

 Lunascapeは9月16日、「Trident」「Gecko」「Webkit」の3つのレンダリングエンジンを搭載したWebブラウザ「Lunascape 5.0α(Genesis)」を公開した。GeckoのJavaScriptエンジンにはFirefox 3.1に搭載予定の「TraceMonkey」を採用し、パフォーマンスが向上したという。


 HTMLの描画エンジンには、Internet Explorer(IE)などに搭載されている「Trident」、Firefoxなどに搭載されている「Gecko」の2つを従来から搭載していたが、新たにSafariやGoogle Chromeに搭載されている「Webkit」を追加した。3つの描画エンジンを搭載したWebブラウザは“世界初”(Lunascape)だという。

 Lunascapeによれば、Tridentは適正に表示されるWebページ数が最も多く、GeckoはJavaScriptの描画が高速で、Webkitは画像などの描画が高速という特徴がある。ユーザーはこれら3つのエンジンを必要に応じて切り替えられ、指定したページを毎回同じエンジンで描画するような設定も可能だ。

(左)タブの右クリックメニューから描画エンジンを変更できる。(右)サイドバーの「自動的エンジン切り替え設定」にタブをドラッグ&ドロップすれば、そのページは常に指定したエンジンで開ける

 GeckoのJavaScriptエンジンには、Firefoxの次期バージョンである3.1(コードネーム:SHIRETOKO)に搭載予定の「Gecko 1.9.1b1pre(TraceMonkey)」をいち早く採用。Ajaxを利用したGmailなどのWebアプリケーションを、高速で表示できるとしている。Lunascapeが行ったSunSpider JavaScript Benchmarkによるテストでは、最新版のIEやFirefox、Google Chromeなどのブラウザと比較して、最も高いパフォーマンスを記録したという。

代表的なブラウザとの比較/SunSpider JavaScript Benchmark(Lunascape調べ)

 「Webブラウザの世界では海外のブラウザの注目度が高く、日本の企業が世界の標準となることや、世界で評価されることは少ない」(Lunascape)。“日本発”の“世界初”トリプルエンジンブラウザで、「日本の企業、技術が世界と渡り合えることを証明したい」としている。

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