樋口流青春18きっぷ使い方樋口健夫の「笑うアイデア、動かす発想」(1/2 ページ)

世界中の鉄道に乗ってきた筆者であるが、先日久々に「青春18きっぷ」を利用した。52時間も乗ったが、飽きずに乗れたそのわけを紹介しよう。

» 2008年09月18日 18時00分 公開
[樋口健夫,ITmedia]

 8月後半から9月前半にかけて、久しぶりに「青春18きっぷ」で旅行を堪能した。

  • 東京−京都間:往復17時間(2枚)
  • 東京−会津西方:往復15時間(2枚)
  • 東京−甲府−富士市−東京:全行程11時間(1枚)
  • 房総半島一周:全行程9時間(1枚)

 合計52時間鈍行列車に乗っていたことになる。5枚綴りで11500円! 1日2300円で、鈍行乗り放題の超格安切符を活用したが、それぞれの旅には異なった目的があった。

 生まれ故郷の京都に行ったのは墓参りと実家や兄弟、そして友人たちへのあいさつ。親戚のいる会津はやはりあいさつ、それと温泉だ。甲府は、外国人の友人家族(4人)を連れてぶどう狩りと温泉に行くため。もちろん青春18きっぷを使って、である。5枚つづりの青春18きっぷなので、この友人家族4人の残りの1枚をもらった筆者は房総半島へでかけ、房総半島の鴨川を目指した。こちらは日帰り温泉に行くためだ。

左が東京−甲府−富士市−東京と富士山の周りを一周した行程。右が東京から京都へ向かったときの行程。いずれもGoogle Earthより

2日以上も乗っていて、退屈じゃないの?

 合計52時間乗ったと言えば、2日と4時間。途方もなく長く感じるが、実際の筆者の体感時間では、はるかに短く感じた。十数時間程度だったと言えるだろう。

 筆者は列車旅行が好きだ。列車に乗っていれば遊んでいるのも同然、言わば“乗り鉄”(というより“旅鉄”かもしれない)というヤツである。商社マンとして海外20年以上生活している間にも、ずいぶん世界中の鉄道に乗ってきた。

 「ユーレイルグローバルパス」や「ユーレイルセレクトパス」(以下、ユーレイルパス:外国人観光客専用の周遊切符)で、何度も欧州鉄道の旅を楽しんだ。2週間、寝台列車だけの旅にも家族で挑戦している。今日は北海、明日朝は地中海という具合である。

 このほか、米国、サウジ、ベトナム、タイ、オーストラリアと各国を鉄道で旅行した。ミャンマーでは、疾走する特急列車の中で強奪犯に襲われたこともある。その時は、事なきを得た……と話がそれた。担当の編集者が早く本題に入れとウルサイ。この話はまた別の機会にご紹介しよう。

青春18きっぷの長距離旅行で気を付けたい2つのポイント

 さて本題の青春18きっぷである。1人旅行の青春18きっぷには賢い乗り方がある。まず1点目は、青春18きっぷでは乗車時間が長いことから、全行程座っていくこと。座ってこそ自分の好きなことができる。旅行者は少なくないので条件は簡単ではないが、途中の始発駅で1本電車を見送り、次の始発でゆっくり行くのもアリだろう。時刻表を忘れないように。

 2点目はトイレ車両を調べておくこと。例えば東京から京都に行くとして、まず東海道線に乗る。この一部区間(3時間ほど)を走る車両の一部にはトイレが付いていないこともある。

 3時間もトイレに行けない――と焦ってはいけない。筆者がオススメするのは、まわりの人たちと仲良くなっておくことだ。というのも、特定の駅で10分ほどの待ち合わせがあるから、その間に駅のトイレに行くためである。まわりの人たちと仲良くなっておけば、座席を空けたり、荷物を席に置きっぱなしにしてもある程度は大丈夫なはず(もちろん貴重品は肌身離さず持ち歩く)。

 今回の旅でも隣の若い旅行者と話を始めて、名刺を交換した。彼は銀行マンだった。ここまで本人確認できればまずまず。筆者も彼も交代でトイレに行く約束を取り付けた。

 青春18きっぷでは、まわりの人に話しかけることを忘れてはいけない。そうして人間関係が広がっていく。なお、貴重品は1つのカバンにまとめて首から掛けておく。座席には貴重品を絶対置きっぱなしにしないこと。

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