ネットで同期を取る理由は、それが簡単だからなのだシゴトハッカーズ(2/3 ページ)

» 2008年09月25日 15時00分 公開
[大橋悦夫、佐々木正悟,ITmedia]

 私(大橋)は日次(にちじ)と週次で更新したファイルを別のHDDにバックアップしています。日次は毎日夜中3時に、週次は毎週土曜日の夜中3時に、それぞれのバックアップ先に更新されたファイルがコピーされるようになっています。


 どんなツールを使っているのですか?


 過去4年以上、DiskMirroringToolというシェアウェアを使っています。Windows標準の「タスクスケジューラ」で、夜中に「タイマー起動」をかけています。ただ、サポートを終了しており、その意味では不安はありますが、Windows XPでもVistaでも問題なく動いています。


 タスクスケジューラですか。これってうまく動きますか? 例えば、PCの電源を落としてしまったら動かないんですよね?


 はい、なので(※PCの電源を入れたままにしておき)夜中にセットしています。ちなみにタスクスケジューラのオプションで、スケジュール通りに実行できなかった場合に、何分後にリトライするか、何回やったらあきらめるかを設定することはできますので、日中にセットすることもできるでしょう。


むき出しのHDD(2.5インチも3.5インチもOK)をセットして、PCとUSBあるいはeSATAで接続して使う「裸族のお立ち台DJ」

 バックアップの取先は、佐々木さんはまずネットへ、ということでしたが、大橋さんは外付けのHDD。その理由と、どんな構成か教えてもらえますか?

 はい。以前はプリンタサーバとして起動させているPCがバックアップ先だったのですが、最近はほとんど印刷をしないので、必要なとき以外は起動させなくなってしまいました。

 最近使ってみて便利だと思っているのが、「裸族のお立ち台DJ」という、むき出しのHDDを2本まで挿せるキットです。それを使って外付けHDDにバックアップするようにしています。メインはノートPCを使っているのですが、頻繁に持ち出すこともあり、ポートリプリケータを接続して、ポートリプリケータ側のUSB端子に複数のHDDをつなぐようにしています。古いノートPCからHDDだけ取り出してここに挿すわけです。1台が日次バックアップ用、もう1台が週次バックアップ用です。

 大橋さんはローカル/リアル派ですね。やっぱり。逆に佐々木さんはネット派。


 ネットで同期を取る最大の理由は、それが簡単だからで、バックアップは二次的な理由です。今ではそうじゃないですが、以前はどちらかといえば私は「モバイラー」でした。だから「オンラインにデータがないと困る」という理由で、オンラインで同期が取るサービスをずっと使っていました。それがたまたま、メインのデスクトップPCなどを買い替えたとき、「オンラインにデータが上がっている」と復旧が簡単になることに気づき、これはバックアップとしても使えるな、と感じた次第です。


 こうやってバックアップを取っておくと、HDDの故障には対応できると思います。上書き保存によって起こる紛失への対応とか、世代バックアップとかは何か、対策をされていますか?


 僕の場合は日次と週次と別のHDDにバックアップしていますので、1日前と1週間前にさかのぼることができます。誤って上書きしたり削除したりしても、直後なら日次バックアップから取り寄せることができますし、気づくのが遅れても1週間以内(厳密には週次バックアップの日から1週間以内)なら、取り返せます。あとは、大事なファイルは「読み取り専用」にしておくことです。


 私は、世代バックアップのことは、あまり真剣に考えたことはないです。ただ、とりあえず内容の上書きが怖いと感じたときには、ファイル名を変えて保存しています


 最後に、こうしてバックアップしておくことで、助かった例を教えていただけませんか?


 留学に前後した時のことですが、インターネットディスクの自動同期に、非常に助けられた記憶があります。留学する前は当然日本でPCを使っていたわけですが、米国に渡る時、いろいろあって米国でPCを買い直しました。正直、ファイルの移行などはもうあきらめてしまっていたのですが、(9・11同時多発テロの直後だったし)ふと、インターネットディスクにつないだら――と思ってやってみたら、作業中のファイルが一気に手に入って感動的でした。


 データベースソフトの「Access」を使った業務システム開発の仕事をしていた時に、データベースが壊れたことがありました。ExcelWordと違って、Accessのファイルは大きくなりがちですし、データ量も格段に多く、内容もテーブルや帳票などが入り組んだ複雑なものです。それゆえ、一度壊れると復旧はほぼ絶望的。その時は、前日のファイルを回収して事なきを得ました。

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