黒川さんによると、直感をつかさどる右脳から言葉をつかさどる左脳へと、男性脳の数十倍の速度で情報を送り続けている女性脳は、相手からの情報の意図を瞬間的に察することが得意だ。つまり直感が効きやすい。だから女性同士の会話では、先のような“予定調和”がすぐ成り立つ。
対して男性脳は、女性脳ほど情報が活発に行き来していないため、そこまで察しがよくない。しかも左脳ですぐ論理的な分析をしてしまう。だから男性は「大丈夫だよ」と言ってほしい女性が投げる変化球にかすりもしない距離に立っていることになる。
それどころか、「私なんてどうせ……」という言葉を何度も聞くうち、言葉通りに受け取ってしまい、「そんなに自分に自信がないんだ」と、「どうせ」を繰り返す女性に対してマイナス評価を下しかねないという。
女性から変化球を投げられたものの、女性が期待するフォロー球を返さなかったばかりに、「バカ、もう知らない」と女性につむじを曲げられた男性はいないだろうか。「基本的に男性は、女性の望む赤じゅうたんを敷いてあげられません」(黒川さん)
これを踏まえて黒川さんは、女性は男性に対し、できるだけ直球を投げるように心がけてほしいとアドバイスする。そうすれば男性は「何が言いたいんだよ」と、女性は「どうして察してくれないのよ」と、互いにわずらわしい思いをしなくて済む。
そして男性は、それでも女性が「どうせ」という言葉を繰り返してきたら、「ああ、大丈夫だよって言ってほしいんだな」と思えばいいだろう。おのずと女性にかける言葉が違ってくる。たとえ直感では分からなくても、学習して習慣付けていけばいい会話術もあるのだ。
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