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» 2008年10月16日 09時00分 公開

「早起きは三文の得」実行委員が行く:「察してよ!」の女、気づけない男の交差点 【寄り道女とゴール男の会話術】 (3/3)

[豊島美幸,ITmedia]
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女性からのメルヘンメールに、男性は戸惑っている!?

 もう1つ、メールのやりとりでのすれ違いを見ていこう。男性の方々、女性から次のようなメールをもらって戸惑ったことはありませんか?

 「冬男さん、こんにちは。秋穂です。今、部屋の窓越しにウロコ雲が澄んだ空に浮かんでいるのが見えます。秋が深まってきたんですね。

 さて、紅葉を観にいくの、私も賛成です。誘ってくれてありがとう。とってもうれしい。来週は予定が入っているから再来週の日曜なら大丈夫です。冬男さんのご都合はいかがですか?

(中略)

 この間、近所を散歩していたら、大通りの並木から銀杏の実の香りがほのかにしました。かと思えば一歩路地に入ると、今度は金木犀の甘い香りが鼻孔をくすぐったんです。冬男さんの近所では、どんな樹木が香っていますか?

(中略)

 金木犀の香りって私には特別なんですよ。小学生のころって誕生日会をやりますよね? 10月生まれだから、毎年、金木犀の香る時期に母や友達が誕生日会をしてくれました。あの甘い香りは、誕生日会で金木犀のオレンジ色のフラワーシャワーを浴びている時、胸いっぱいに吸った香りなんです。母が縫ってくれた無地のワンピースが、ほんの一瞬、オレンジの小花模様になるのがうれしかった。

(中略)

 大人になった今も、金木犀の香りを突破口に少女時代に感じた空気感や感覚や思いが、バケツの水をひっくり返したみたいに、一気に私の中になだれこんでくるんです。『ああ、あの時あんなこと、こんなこと、そんなこと考えたな』って。冬男さんにとって、そんな特別な香りや光景はありますか?(以下省略)」

 デートに誘った女性から、デートの返事のみならず多くの話題が盛り込まれた、こうした長大なメールが届く。返事が来たのは確かにうれしい。その半面、重いメールを前に「こんなに丁寧に書いてくれてるんだから、ちゃんと返さなきゃ」とプレッシャーに感じ、戸惑ってしまうのだ。

 気の利いたことを書こうと話題を探したり、書き直したりを繰り返したりするうち、気付くと3日たっていた。そこで「早く返事を書かないと」と、返事をしていないことがプレッシャーに輪をかけて、つい返事を出せずじまいになってしまった――といった経験はないだろうか。

「生きてますか?」 男性へのメールは一問一答で簡潔に

 「女性は、とかく1つのことを書こうとしても、女性脳のせいで次から次に話題が頭に浮かびます。それをついつい書いてしまって、結果、話題を盛り込みすぎる傾向があるんです」(黒川さん)。

 男性は女性ほど、多くの情報を一気に処理できない。目の前の事象を論理的に把握しようと、1つのことを処理する。さらに結論から把握しようとするため、回りくどい言い回しを嫌う。だから、こうしたメールの書き方は最も避けた方がいいという。

 黒川さんには夫と中学生の息子がいる。家庭での会話はすべて男性相手だから、異性間の会話を毎日ケーススタディしながら生活しているのである。そんな環境下、黒川さんは息子あてのメールも、返事がすぐ返ってくるようなある工夫をしているという。

 名付けて「生存確認メール」というものだ。彼女は息子の帰宅が遅いと、「生きてますか?」と一言だけメールを送る。すると息子は、あわててすぐ返信してくる。「用件を1つだけに絞り、簡潔に書く」のが、黒川さんが編み出した男性に送るメールの鉄則だ。1つだけ問いかけると、男性は必ず返事を返してくるという。質問と文章量が増えるほど、返りはにぶるそうだ。

 また、女性は自分が送ったメールの文章量に比べて、男性から返ってきたメールの文章量が少ないからといって「どうして?」と思わない方がいいという。男性脳は1つのことしか処理ができないからだ。

 異性のことを互いに「どうして?」と思っても溝は埋まらない。だから男性は女性のことを、女性は男性のことを「分からない装置がここにある」(黒川さん)と、開き直ることから始めるのが最も重要なのだ。


 次回は「男性は女性に対し、どう会話を持っていけばいいか」を、ビジネスシーンの会話術を中心に見ていこう。

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