バブル崩壊前に比べて個の比重が高まってきた今、再び社内行事が見直されているようです。そこで「イマドキ社内行事」事情を根掘り葉掘りとリサーチしてみると――「社内行事が必要」と答えた企業はなんと9割。その理由は?
かつて、日本の企業の多くが運動会や社員旅行などの社内行事を積極的に行っていた。しかし、バブル崩壊後の不景気やオンとオフの区切りをつける風潮などが相まって、こうした社内行事は下火に。ところが最近、「社員同士のコミュニケーションの活性化」の必要性から、再び社内行事が見直され始めている。
前回ご紹介した福利厚生は、野菜の配布を通じて社内コミュニケーションの活発化を狙ったが、運動会や社員旅行などの社内行事も、福利厚生の一環といえそうだ。そこで社内行事事情をリサーチ。3回にわたり、イマドキの社内行事の傾向と成功の鍵を紹介しよう。
今、企業ではどのような「社内行事」が行われているのか? まずは、各企業へのアンケートの結果から見えてきた、イマドキの社内行事の内容と参加する社員の思いを検証する。
『月刊総務』に30社から寄せられたアンケート結果を見ると、「社内行事を行っている」のは29社と、ほとんどの企業で何かしらの行事を実施していた。
具体的な行事の内容は、大きく分けると3つに分類される。1つ目は「内定式」「入社式」といったセレモニー。2つ目は「社員総会」「研修」などの仕事にかかわるもの。3つ目が「忘年会・新年会」「歓迎会」「社員旅行」といったレクリエーションだ(Q1参照)。
セレモニーや仕事にかかわる行事は就業時間内に行われ、参加することが業務とみなされる場合が多い。対してレクリエーション要素の強い行事は、就業時間後や休日に開催するケースも目立ち、企業には「参加する社員の行事へのモチベーションをいかに高めるか?」という迷いが感じられる(Q2参照)。