ファイル整理のメリットを実感するのだシゴトハッカーズ(3/3 ページ)

» 2009年01月29日 13時31分 公開
[大橋悦夫、佐々木正悟,ITmedia]
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整理する気になる方法

 どれほど優れた整理方法であっても、それなりの「ケア」や「メンテナンス」をしなければ、どうしてもファイルが雑然としてしまうものです。というのも、自作のファイルだけでなく、インターネットやスキャナで資料ファイルを取り込んだり、メール添付ファイルなどを受け取ったりしているうちに、ルールに従った整然とした状態は、崩壊してしまうからです。

 これを食い止めるには、やはり人の手で定期的に整理してやるほかありません。

 そして、実際に整理するとなれば、整理が難しいものであってはダメですし、整理する気が強く起こる必要があります。整理して得られるものが、せいぜい「見た目整然とした感じ」では、ファイル整理が続くはずもありません。

 整理する気持ちを強く保つには、それも自然に保つには、整理のメリットを頻繁に感じることです。

 例えば大橋さんの場合、「お気に入り」フォルダにファイルのショートカットを集中させることで、キーボードから手を離すことなく、素早く目的のファイルやフォルダにアクセスできるシステムを作り上げています。そのようにして素早くアクセスできるという実感を、毎日得ているからこそ、その状態を保とうというモチベーションが刺激されるのです。だからファイル、フォルダの整理を、必要に応じて実践する習慣につながっているのでしょう。

 私自身は今のところ、Evernoteファイル管理をしています。階層式のタグ分類をイメージの赴くままに作成し、ファイルを添付したデータ1つに、いくつかのタグを付けて、ファイルを探したいときにはすぐ見つけ出せるようにしてあるわけです。そもそもこうしたシステムを選んだのも、使おうと思ったファイルを手間なく、確実に見つけ出せる方法だからです。

 しかし、せいぜい週に一度、時間としても20分弱ですが、あらためて整理し直します。そうすることで、安心してファイル管理を任せることができるからです。また、そうなるという見通しがあるからこそ、週に20分の整理とはいえ、する気になるのです。

 整理というのは、それ自体が生産的な活動ではないために、そこから得られるメリットがいつでも実感できるようでないと、どうしてもおろそかになりがちです。しかし、整理から得られるメリットを、ファイルにアクセスするたびに実感できていれば、ファイル整理に苦痛を感じることはなくなるのです。

筆者:大橋悦夫

大橋
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1974年、東京生まれ。ブログ「シゴタノ!仕事を楽しくする研究日誌」主宰。学生時代よりビジネス書を読みあさり、システム手帳の使い方やスケジュール管理の方法、情報整理のノウハウなどの仕事術を実践を通して研究。その後、ソフトウェアエンジニア、テクニカルライター、専門学校講師などを経て、現在は仕事のスピードアップ・効率アップのためのセミナーや研修を手がける。デジタルハリウッド講師。著書に『「手帳ブログ」のススメ』『スピードハックス 仕事のスピードをいきなり3倍にする技術』『チームハックス 仕事のパフォーマンスを3倍に上げる技術』『そろそろ本気で継続力をモノにする!』『Life Hacks PRESS vol.2』『LIVE HACKS! 今を大切にして成果を5倍にする「時間畑の法則」』、近著に『成功ハックス』がある。

筆者:佐々木正悟

佐々木
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心理学ジャーナリスト。専門は認知心理学。1973年北海道生まれ。1997年獨協大学卒業後、ドコモサービスに派遣社員として入社。2001年アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後、2004年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年に帰国。著書に、『スピードハックス』『チームハックス』のほか『ブレインハックス』『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』『やる気ハックス』などがある。「シゴタノ!−仕事を楽しくする研究日誌」にて「心理ハック」を連載中。ブログ「ライフハックス心理学」主宰。


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