彼が1つ質問すると、バロンは自分も同じ懸念を抱いており、既に手を打っていると答えた。すると、ケレハーは「結構だ。進めてくれ」と言った。この会話に要した時間はわずか4分ほどだった。
世界は急速に変化している。大が小を倒す時代は終わった。速いものが遅いものを制すのだ。
――ルパート・マードック(ニュース・コーポレーション会長兼CEO)
伝説的経営者、サウスウエスト航空の会長であり、かつてCEOだったハーブ・ケレハーの例を見てみよう。ロバート・K・クーパーとアイマン・サワフの著書、『ビジネスマンEQ ― あらゆる目標達成のために』で紹介しているエピソードは注目に値する。サウスウエスト航空のメンテナンス業務(7億ドル相当)を一手に引き受ける会社で当時、業務執行副社長をしていたゲーリー・バロンが、ある日社内の廊下を歩きながら、大々的な組織再編案をまとめた3ページの提言書をケレハーに提出した。ケレハーはその場で提言書に目を通した。そして、彼が1つ質問すると、バロンは自分も同じ懸念を抱いており、既に手を打っていると答えた。すると、ケレハーは「結構だ。進めてくれ」と言った。この会話に要した時間はわずか4分ほどだった。
ケレハーはリーダーとして信頼されているだけでなく、他者にも信頼を示した。彼はバロンの人格や能力を信頼していたのだ。そして、バロンは自分の策を理解しているとケレハーは信じていたので、会社は信じ難いスピードで動くことができた。
(『スピード・オブ・トラスト』23ページより抜粋)
開催概要 | |
---|---|
日程 | 1.11月5日(木)〜11月6日(金) 2.2010年2月18日(木)〜2月19日(金) |
時間 | 9時〜17時(2日間とも) |
料金 | 10万1850円 |
会場 | フランクリン・コヴィー・ジャパン セミナールーム(東京都千代田区麹町) |
「どんな状況であれ、信頼ほど即効性が期待できるものはないと断言できる。そして、世間の思い込みに反し、信頼は自分でなんとかできるものなのだ」――。
『7つの習慣』で著名なコヴィー博士の息子、スティーブン・M・R・コヴィーが、ビジネスにおける“信頼の力”を体系化したのが本書『スピード・オブ・トラスト』。
企業の不祥事や社内の権力争い、人間関係の崩壊などが問題視される昨今、新しいリーダーに求められる能力とは何なのか。私たちが行うあらゆる活動の質に働きかける信頼の力を、本書中の“名言”を抜粋しながら解説します。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.