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オンラインストレージは便利なのですが、いろいろあってどれにすればいいか分かりません。

» 2010年04月23日 11時00分 公開
[佐々木正悟,Business Media 誠]

 オンラインストレージもすっかり大容量化してきたものの、どういった目的で何を使うか、はっきり分かっている人はまだまだ少数派です。先日も、次のような質問をいただきました。

ビジネスパーソンの気になる疑問

 オンラインストレージ、何を使ったらいいのでしょう? 仕事で同僚と使うというわけではなく、個人的にバックアップなどに便利そうだと思うのですが、いろいろあって、どれにすればいいかが分かりません。


 そういうことで迷わないためにも、親切な比較記事Webサービス図鑑のオンラインストレージカテゴリーなどが参考になると思います。しかし、あれこれ考えるのが面倒ということであれば、「不安を解消する大容量オンラインストレージ」を独断で紹介します。

 そのオンラインストレージとは「Dropbox」です。使い方などの詳細は過去の記事をご覧いただくとして、このDropboxに何もかも放り込んでしまうことをおすすめします。50Gバイト以上となると有料(月額10ドル)ですが、毎月約1000円なら支払う価値はあります。とても精神的に楽になれるからです。

 一番のポイントは、同期がとれるのはDropboxフォルダ以下に置いたフォルダとファイルのみというところ。ローカルとオンラインの双方に同一内容のフォルダとファイルを置くことになるため、一見無駄が多いように思えるかもしれません。しかし、逆にこの制約があるため、何の「手当て」も不要です。とにかく100Gバイトまでであれば、Dropboxフォルダ以下に投げ込んでおけばいいのです。すべてのファイルはDropboxフォルダのどこかにあるということになり、しかもそのすべてのファイルには、自分が所有するすべてのPCからアクセスできます。

 それだけではなく、自分の将来買うPCからもアクセスできます。何らかの不具合でOSが突然立ち上がらなくなってしまっても、OSを再インストールしてからDropboxを同期させるだけで、すべてのファイルとフォルダにアクセスできるのです。

 さらに、インターネットに接続できない環境に置かれてしまっても、Dropboxはローカルの内容をオンラインにも同期するシステムであるため、困ることがありません。つまり、そのままローカルのDropboxフォルダにアクセスすればいいのです。自動バックアップ機能としても利用できるということです。


 似たようなサービスで「Sugar Sync」や「ZumoDrive」というサービスもあります。Suger Syncなら同期をとるフォルダを選択することができますし、ZumoDriveならネット上に拡張ストレージを置く感覚で利用することができますが、いろいろと設定するのが面倒な人には、Dropboxにとりあえず集中しておくのが一番簡単。Sugar Sync やZumoDrive は、「このフォルダは同期をとろう」とか「音楽ファイルはネット上に置こう」など、あれこれ工夫のできる人に向いていますが、Dropboxはそういうことを何も考えたくない人にこそ向いています。

 一見したところ1フォルダに何もかもを詰め込まないと機能してくれないDropboxは不便そうですが、実のところこれが一番便利だという気がしています。こうであれば、新しいツールやガジェットを入手した際に、必ずDropbox以下に置く習慣が無意識のうちにつくからです。

筆者:佐々木正悟

 心理学ジャーナリスト。専門は認知心理学。1973年北海道生まれ。1997年獨協大学卒業後、ドコモサービスに派遣社員として入社。2001年アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後、2004年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年に帰国。著書に、『スピードハックス』『チームハックス』のほか『ブレインハックス』、『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』、『やる気ハックス』などがある。「シゴタノ!−仕事を楽しくする研究日誌」にて「心理ハック」を連載中。ブログ「ライフハックス心理学」主宰。


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