これだけは気をつけろ! 「テープ起こし」虎の巻(2/4 ページ)

» 2010年05月12日 16時30分 公開
[山口真弘Business Media 誠]

 対象のテープ起こし業者は、ネットで検索して得られた情報をもとに、条件に合致する業者をチョイスした。条件とは以下の3点である。

  1. 発注から納品までがすべてネット上で完結すること
  2. 今回の音源データ(約75分)のテープ起こし代金が2万円以内であること
  3. 個人事業主ではなく、会社形態であること

 プランについては各社とも「素起こし」をチョイスしている。音源データの内容はインタビューで、ジャンルはIT系である。翻訳などの作業は伴わない。

いつまでに入金すればいいの? ――コエラボ

 1社目はIPパートナーズが運営する「コエラボ」。サイト上には「1分190円〜のテープ起こし」とある。

1営業日目 サイト上のフォームから申し込む。後述の2社と違って受付確認のメールがなく、数時間後の夕方になっていきなり見積のメールが届く。金額は74分で1万4800円。1分あたり200円という計算だ。詳細な見積には音源データが必要なので送付するよう求められるが、具体的な手順がメールに記されておらず、同社サイトに戻って確認。紹介されている複数のファイル送信サービスの中から「データ便」を選んで音源データを送付。

2営業日目 この日の夕方になって音源データがダウンロードされたとのメールが着信。営業日ベースで丸一日も音源データが放置されていたことになり、やや悠長な対応に不安を感じる。

 音源データのダウンロードから数時間後、正式な見積メールが届く。この時点で「通常」と「特急」の2プランを提示される。特急であれば中3日(4営業日目)、通常であれば中5日(6営業日目)に納品可能とのこと。他社と比べると納期は短いが、今回は条件を合わせるため「通常」を希望する旨返信する。

 また、今回の3社の中で唯一代金の前払いを要求されたため、メールの返信と併せて指定口座への入金作業を行う。この際、メールの返信期日や代金の振込期日は明記されておらず、いつまでに対応すればオンスケジュールでの進行が可能なのかがはっきりしない。

4営業日目 入金を確認した旨のメール連絡あり。

6営業日目 納品日。夕方になってメール添付で納品あり。形式はWordファイル。追って領収書を郵送するとのこと。領収書は翌々日に到着。

備考 最終的にはスケジュール通りに納品されたが、メール着信や入金確認のメールがないなど、進行状況が見えづらい。また3社の中で唯一、全てのやりとりを通してメールに担当者名が記されておらず、窓口が不明瞭だった。

ちょっと高めで時間もかかるけど、レスポンスはいい――東京反訳

 次は東京反訳。トップページ上に自動見積フォームを備え、料金と納期が手軽に確認できるようになっている。

1営業日目 サイト上の自動見積フォームから申し込む。受付確認のメールが届いた後もレスポンスはきわめて早く、申し込んで30分後には受付確認の手動返信あり。詳細な見積をするので音源データを送付するよう指示される。メールには具体的な手順の説明がなかったためサイトに戻って確認し、データ便にて送付。この時点で特急料金も提示されていたが、通常料金(ゆとり納期)を選択。通常料金での納品日は8営業日目と、他社に比べると2日余計にかかる計算。

 見積の結果は、74分で1万5540円。1分あたり210円という計算だ。了承する旨メールを送信したところ、追って「これから着手します」の連絡が届く。この時点で最初の申し込みからまだ5時間程度しか経っておらず、対応のスピードは極めて早い。

8営業日目 納品日。夕方になってメール添付で納品あり。形式はWordファイル。支払いについての案内は特になく「またのご依頼をこころよりお待ちしております」と記載あり。

10営業日目 請求書が郵送で届く。そのままオンラインで振り込みを行う。3日後に領収書が届く。

備考 メールの見落としが1回あったものの、レスポンスは全体的に良好で、やりとりをしていて不安は感じさせなかった。

3社目は業界最安だったが……

 最後にC社。サイトには「高品質のテープ起こしを業界最安値(1分190円〜)でご提供」とある。申し込みはスムーズだったが、指定納期の翌日になっても音沙汰がなかったため、最終的にキャンセルを通知した。参考までにやりとりを記す。

1営業日目 サイト上のフォームから申し込む。フォームメールがドメインの異なる外部サイトに飛ばされるもアナウンスがないなど、サイトの作りの時点でやや不安を感じさせる。受付確認メールはすぐに到着。

 申し込み後2時間で見積書が届く。金額は74分で1万4763円。サイト上には1分あたり190円と記しているが、ほかの2社と異なり税別表記のため、実際には1分あたり199.5円。当日中に音源を受領した場合、6営業日目の納品が可能とのこと。見積書には「検討ください」とだけ書かれており、次のステップが明示されていないなど、あまり商売っ気がない。

 次のステップに進むべくサイトを見ると、音源データを宅ふぁいる便で送るよう指示されている。容量の関係で宅ふぁいる便ではなくデータ便を使用する旨メールで通知したのち、音源データを送付。30分ほどあとにダウンロードされた旨データ便から通知あり。この日はその後連絡がなく、翌日(土曜日)の昼になって音源データを受領した旨と、これから着手する旨連絡あり。

6営業日目 この日が納品日にあたるが、連絡なし。

7営業日目 さらに翌日になっても営業時間後まで連絡がなかったため、メールでキャンセルする旨通知。数時間後に謝罪のメールとともに納品データが届く。先方曰く単純ミスで送信がもれていたとのこと。ちなみに6営業日目と7営業日目の間は3連休を挟んでいるため、実際には納品が丸4日遅延した計算になる。

 最後は、各社から納品されたテキストを比較しながら、傾向の違いをみてみよう。

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