これだけは気をつけろ! 「テープ起こし」虎の巻(4/4 ページ)

» 2010年05月12日 16時30分 公開
[山口真弘Business Media 誠]
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 ではどうすればいいか、ということで、今回得られた結果をもとに、限りなく普遍的だと思われる「テープ起こしをアウトソースする際の注意点」を以下にまとめた。筆者も場数を踏んでいるわけではないのであくまで参考程度ということになるが、実際にテープ起こしを依頼する際、ざっと目を通してお役に立てていただければ幸いだ。

発注時に「用語集」を渡す テープ起こしの担当者は、決してその筋の専門家というわけではない。そのため、音源データの会話にたびたび登場する専門用語や固有名詞については、あらかじめ読み方を添えた用語集を渡しておくとよい。特に日本語では、前後の文脈を見ながら単語の意味を判断することも少なくないので、なるべく初期段階で正しい用語を知らせておいたほうが前後の文章を含めて精度が向上する。大仰なものではなくメモ程度の内容で十分だ。

ケバ取りのレベルは明確に指定する 今回の反省点の一つであるが、本当の意味での「素起こし」はかなり読みにくく、一読しただけでは意味が把握しづらいことから、納品後に音源データを聞き返す手間が発生しかねない。料金面で差がなければ「ケバ取り」を指定しておいたほうが、手戻りが少なくなると思われる。

長時間のテキストにタイムコードは必須 テキスト内に、例えば15分区切りで「00:15:00」「00:30:00」といった具合にタイムコードが入力してあると、不明瞭な個所の頭出しを行う際に重宝する。今回依頼した中では、東京反訳がこのタイムコードの入力に対応していた。あまり短い区切りだとかえって邪魔になるので、10〜30分程度の幅でタイムコードの入力を依頼するとよいだろう。逆に、1時間を超える音源データにもかかわらずタイムコードを入れられないという場合、発注を考え直したほうがよいと思われる。

音源データはMP3で 音源データをネット経由で送ることを考えると、データ容量がなるべく小さいMP3を選択するのがベターだ。「宅ふぁいる便」などファイル転送サービスを使う場合も容量制限に引っかかりにくいし、自社サーバなどにアップロードする場合でも容量が小さいほど送受信がスムーズになる。もちろん録音の品質が一定レベル以上であることが大前提だ。

音源データ内の対象個所をきちんと伝えてコストを削減 例えば1時間のインタビューの場合、自己紹介や世間話に終始した前半10分はテープに起こす必要がないという場合もあるはず。こうした場合は、事前に対象個所を指定しておくと、そのぶん料金が節約できる。具体的には、「0:10:01〜0:59:59までが対象」といった具合に伝えておけば、冒頭10分の代金が不要になるというわけだ。たとえ無音であっても先方にチェックを任せると費用が発生しかねないので、事前にチェックしてから音源データを渡すとよいだろう。

支払い方法もチェックしておく BtoBでの発注であればたいていの業者が後払いに対応するようだが、例外もあるかもしれないので注意したい。筆者のようなフリーランスからの依頼の場合、今回のコエラボのように初回に限って前入金を求められる場合もある。発注前に念のためにチェックをするとよいだろう。

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