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» 2010年08月03日 15時00分 公開

エプソンのドキュメントスキャナ「ES-D200」はScanSnapのライバルに成り得るか(3/5 ページ)

[山口真弘,Business Media 誠]

読み取り速度を比較する

 前置きが長くなったが、何はともあれ使って比較してみよう。今回は以下の2種類の原稿を用意し、設定値を変更しながら取り込みを行い、同一条件下でのScanSnap S1500と速度や品質について比較してみた。

  1. A4サイズの文字/図版混合の原稿×10枚
  2. 裁断済みの単行本100ページ分(50枚)

 (1)は、会議資料やプレゼンテーションの配布データを想定した原稿だ。出力はインクジェットプリンタで、すべてカラーモードで片面印刷を行っている。

 (2)は書籍の“自炊”(紙の書籍を電子書籍化するために自分でスキャンすること)を意識したデータだ。ScanSnap S1500のセット可能枚数に合わせ、枚数は50枚(100ページ)としている。解像度などの値は、筆者が通常「自炊」の際にプリセットしている値をそのまま使用し、カラー/グレー/白黒(モノクロ)それぞれで、OCRをオンとオフそれぞれの状態で取り込みを行った。文字くっきりは常時オンにしている。

(1)A4サイズの文字/図版混合の原稿×10枚
解像度 文字くっきり OCR モアレ除去 時間(秒)
ES-D200
サイズ(Kバイト)
ES-D200
時間(秒)
ScanSnap S1500
サイズ(Kバイト)
ScanSnap S1500
150dpi - - - 0:37 1520 0:32 2339
- あり - - - 1:26 2379
あり - - 0:40 2074 0:31 2602
あり あり - - - 1:30 2640
300dpi - - - 1:14 5099 0:34 6809
- あり - 1:48 5298 1:52 6700
あり - - 1:36 6281 0:34 7316
あり あり - 2:03 6369 1:54 7356
- - あり 3:46 4742 - -
- あり あり 3:51 4775 - -

(2)裁断済みの単行本100ページ分(50枚)
カラーモード 解像度 OCR 時間(秒)
ES-D200
サイズ(Kバイト)
ES-D200
時間(秒)
ScanSnap S1500
サイズ(Kバイト)
ScanSnap S1500
カラー 300dpi なし 4:38 28472 1:46 39138
あり 6:15 28489 8:00 39367
グレー 300dpi なし 3:11 23332 1:43 37286
あり 4:51 23979 7:43 37670
白黒(モノクロ) 600dpi なし 11:23 10334 1:42 13465
あり 15:45 10522 8:20 13187

 全体的な傾向としては、低解像度(150dpi)では両者ともにほぼ速度差はないが、解像度が上がるにつれES-D200の速度低下が目立つ。特にテスト(2)で白黒(モノクロ)モード600dpiにした状態では、ScanSnapの1分42秒に対してES-D200は11分23秒と、約6倍もの差がついた。ただしOCRがオンの状態ではこの差は2倍程度にまで縮まる。またファイルサイズについては、同一条件で取り込んだ場合はES-D200のほうがコンパクトになる傾向があるようだ。

 また、一部の補正オプションの有無によっては、速度が激しく変化する。なかでもScanSnapにない「モアレ除去」機能についてはかなりの時間がかかる。一方でアンシャープマスクや向き補正など、処理に時間がかかりそうな補正オプションは、今回の読み取り条件では速度にそれほど影響しなかった。

 ちなみにほかの補正オプションにも言えることだが、機械部分の読取は高速である反面、それを処理するユーティリティ側の速度がボトルネックになっている印象だ。例えば100ページの取り込みが終わった時点で、ユーティリティ側の処理枚数はいまだ60ページ前後の値を示しており、完了までしばらく待たされるといった具合である。同じハードウェア構成でテストしたScanSnapでは機械部分の読取が完了してすぐに結果が表示されるので、PCの処理速度よりもソフトの処理能力に依存する問題と思われる。もっともScanSnapの場合、OCRをオンにした際には相当待たされる傾向があるので、一長一短といったところだろう。

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