自称「頼み下手」の開発者がつづる、頼み上手になるための基本3ステップ3分LifeHacking

ビジネスパーソンにとって、他人に仕事を指示したり依頼したりするスキルは不可欠です。しかし、「仕事をどうやって頼んでいいのか分からない」と戸惑ったり、「指示したとおりにやってくれない」と悩んだりしている人は意外に多いのではないでしょうか。今回はこのテーマを取り上げます。

» 2010年11月02日 13時10分 公開
[Kent Fenwick(訳:松岡由希子),ライフハッカー[日本版]]
ライフハッカー[日本版]

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 1人1人の力や時間は有限。だからこそ、チームや組織ベースで仕事を遂行しているわけですが、キャリアを積むにつれ、自分の頭や手を動かすだけでなく、ほかのメンバーを動かす立場にもなってきます。

 ビジネスパーソンにとって、他人に仕事を指示したり依頼したりするスキルは不可欠ですね。しかし、実は「仕事をどうやって頼んでいいのか分からない」と戸惑ったり、「指示したとおりにやってくれない」と悩んだりしている人は、意外に多いかと思います。こちらでは、このテーマについて取り上げてみたいと思います。

 自称「頼み下手」の開発者Kent Fenwick氏は、なぜ「他人に何かを頼む」ことのほうが思いのほか難しいのかについて、以下のように考察しています。

 パーソナルアシスタントサービスを展開する「Fancy Hands」のTed Roden氏に対するオンラインラジオ「5by5」でのインタビューは、なかなか興味深いものでした。

 Roden氏は、同社のサービスの課題として、既にこのサービスに対価を支払ってくれている人々をつかむのが難しいと語っていました。「Fancy Hands」のいちユーザーである原文筆者も、思ったほどこのサービスを利用しておらず、そのような人は少なくないようです。多くの人が、カンタンすぎていちいち頼むほどでもないと思うか、難しすぎて自分しかできないと思ってしまうのが原因だとか。

 しかし、他人に何かを頼む方法を、わたしたちは学んできません。これは、自然にできるものではなく、スキルであり、ある意味「アート」です。中には、他人に仕事を依頼し、その成果をコントロールする能力に長けている人もいますが、ほとんどの場合、うまく頼めないことでひどい目にあったり、ストレスを感じたりするものです。頼み下手なことは、Webの世界では良いことではありません。規模が拡大していかないからです。

 では、「他人に何かを頼む」には才能が必要なのでしょうか? それとも、訓練を積めば上達するものなのでしょうか?

 Fenwick氏は「他人に何かを頼む」ことは習慣であり、練習と訓練をすれば、次第にうまくなると主張し、そのための基本的なステップとして以下の3点を挙げています。

1:頼めそうなことは何なのかを知ろう

 トイレ、食事、睡眠といった例外を除き、ほとんどのことは他人に委譲できるもの。著書『Getting Things Done: The Art of Stress-Free Productivity(邦題・はじめてのGTD ストレスフリーの整理術)』でDavid Allen氏が提唱している「2分ルール」がオススメ。2分以内でできることは自分でやり、それ以上かかりそうなものは、他人に依頼するというものです。

2:頼む方法を知ろう

 著書『The 7 Habits of Highly Effective People: Powerful Lessons in Personal Change(邦題・7つの習慣―成功には原則があった!)』で、Stephen Covey氏は「Stewardship Delegation」について説いている。これは、依頼に当たっての決まりや、求める成果を依頼先にきちんと伝える、というもの。自分でやってみるのと同じように、プロセスや詳細を整理することがポイントです。スムーズにこのやり取りをするためには、依頼する側が鍛錬し、信頼を得ることが必要になります。

3:実際に頼んでみよう

 実際に他人に何かを頼むと、最悪の場合、何が起こりうるでしょうか? まず考えられるのが、相手から断られること。しかし、別の人に頼めば解決するので、これはたいしたことではありません。では、依頼先が間違ったことをしてしまう場合はどうでしょうか?

 このような場面こそ、自分の頼み方を見直し、進歩させるチャンス。タスクは十分に定義していたか? タスク遂行に役立つ情報やアドバイスを与えていたか? を振り返ってみましょう。くれぐれも、うまくいかなかったとして、それを相手のせいだと決め付けないこと。少なくともそのうちの一部は、依頼する側にも原因があるのです。


 「言うはやすく、行うは難し」ですが、実践と検証を繰り返していくことで、徐々にスキルアップしていくはず。ぜひ、この方法を取り入れて「頼み上手」になってみてくださいね。

 このほか、他人にお願いするコツとしては、ライフハッカーアーカイブ記事「効率的かつ効果的に助けてもらうための6つのコツ」や「『賞味期限付き』でタスクをアサインするというマネジメント術」なども、合わせて参考にどうぞ。

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