かつては容量のみで評価されることが多かったオンラインストレージサービスだが、最近はスマートフォン対応の有無が評価の分かれ目となりつつある。今回は各社オンラインストレージサービスのスマートフォン対応について詳しく見ていこう。
クラウドを経由してデータのやりとりを可能にするのが、いわゆる「オンラインストレージサービス」だ。メールに添付するのが難しい巨大なファイルを容易にやりとりできるこのサービスは、ビジネスシーンはもちろん、プライベートにおいても定番と言える存在だ。
最近はiPhoneやAndroid端末の普及により、スマートフォンで利用できるかどうかがそのサービスを実際に使うかどうかの決め手になる。まずはスマートフォン対応をしているオンラインストレージを確認したい。なお、スマートフォンから利用できる機能の説明はiPhoneアプリをベースにしており、ブラウザから利用する場合や、Androidアプリでは若干差異がある可能性があることをご了承いただきたい。参考までに容量別の価格についても記してある。
言わずと知れた外部記憶サービスである「Evernote」は、その時々で思いついたアイデアやメモ、ボイスデータや写真などを次々と放り込んでいくことで、クラウドを外部記憶として利用できるサービスだ。各ファイルにはタグがつけられるほか強力な検索機能をもち、インタフェースを日本語化したこともあって、国内での愛用者も多い。
スマートフォンからのアクセスにはアプリを用いる。データのプレビューはもちろん、新規テキストや写真、ボイスメモのアップロードが行えるほか、これらノートをメールに添付して送付することも可能。利用料金は保存容量ではなくデータ転送量によって定めており、例えば月間500Mバイトまでのアップロードは月額5ドルとなっている。
サービス名 | 利用料 | 備考 |
---|---|---|
Evernote | 無料 | 有料版(月間500Mバイトまでのアップロードなら月額5ドルなど)も用意 |
データ共有に強みを持つのが「Dropbox」だ。対象のフォルダを指定しておくことにより、複数のPC間でつねに最新のデータに同期される。履歴管理機能を用いて、ファイルを古いバージョンに書き戻すことも可能だ。インタフェースは英語。
スマートフォンからのアクセスにはアプリを用いる。フォルダ内のデータの参照はもちろんのこと、フォルダの作成やファイルの削除、さらに撮影した写真や動画のアップロードにも対応している。また、iPhoneであれば相手にURLを送信してファイルを見てもらうなどの操作も可能だ。利用料金は、50Gバイトで月額9.99ドル、100Gバイトで月額19.99ドルとなっている。
サービス名 | 利用料 | 備考 |
---|---|---|
Dropbox | 無料 | 有料版(50Gバイトで月額9.99ドル、100Gバイトで月額19.99ドル)も用意 |
「quanp(クオンプ)」は、リコーが提供する国産のオンラインストレージサービス。クラウド上に保管したファイルを3Dビューなど特徴的な方法で閲覧したり、取り出せる。PC向けにファイルアップロード専用のウィジェットなども提供しているほか、携帯電話からアクセスするためのインタフェースも用意されている。
スマートフォン対応は、iPhone向けにアプリが提供されている。写真や動画のほか音声ファイルのアップロードが行える。またクラウド上に置かれたファイルのURLを相手に送信して見てもらうことが可能なので、外出先からの利用に重宝する。執筆時点でAndroidアプリは提供されていない。利用料金は、10Gバイトで月額300円、100Gバイトで月額980円。
サービス名 | 利用料 | 備考 |
---|---|---|
quanp | 無料 | 有料版(10Gバイトで月額300円、100Gバイトで月額980円)も用意 |
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.