かつてオンラインストレージサービスは、保存容量の多い少ないだけで評価を受けることも多かった。メールに添付できない大容量のファイルを送るという用途がメインだったころ、保存容量はとにかく多ければ多いほどよかったのだ。あとはせいぜいアップロードやダウンロードのスピードがサービスの評価を決めるポイントであった(ただし、こちらは送受信先のインターネット回線にも依存するが)。
しかし本記事で見てきたように、今ではこうした保存容量よりも、むしろクラウドサービスならではの利点が重要になってきた。その利点とは「対応プラットフォームの幅広さ」だ。WindowsやMacといったOSの種別を問わず利用できるのは当然として、iPhoneやAndroidといったスマートフォンへの対応の有無が、サービスの評価を決定づけるようになりつつある。
スマートフォンからオンラインストレージサービスを利用するメリットは数多い。1つは外出先でファイルの参照が容易になることだ。クラウド上にファイルをアップロードしておけば、外出時にいちいちモバイルノートにファイルをコピーして持ち歩く手間をかけることなく、いつでも手持ちのスマートフォンから参照できるからだ。また画面の小さな携帯電話と違って一覧画面もドキュメントも見やすい上、ズーム機能を使えば細部の拡大も容易だ。
また、日々利用するファイルをつねにクラウド上と同期するようにしておけば、特定のファイルをいますぐ誰かに送らなくてはいけない場合でも、外出先からスマートフォン経由でクラウドにアクセスし、ファイルのパスを相手にメールで知らせれば用が足りる。さらにスマートフォンで撮影した写真や動画、音声ファイルをクラウドにアップロードすることで、誰かにパスを知らせていますぐ見てもらうという芸当も可能になる。
いずれにせよ、今回紹介したようなサービスを活用して、PCやスマートフォンからデータの共有を試してみてほしい。クラウド時代の到来を実感できるだろう。
サービス名 | 利用料 | 備考 |
---|---|---|
Evernote | 無料(月間40Mバイトまでのアップロード) | 有料版(月間500Mバイトまでのアップロードなら月額5ドルなど)も用意 |
Dropbox | 無料(2Gバイトまで) | 有料版(50Gバイトで月額9.99ドル、100Gバイトで月額19.99ドル)も用意 |
quanp | 無料(1Gバイトまで) | 有料版(10Gバイトで月額300円、100Gバイトで月額980円)も用意 |
OCNマイポケット | 月額315円(10Gバイト) | 申込月と翌月の2カ月無料のお試しプランを用意。 |
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.