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» 2011年09月21日 16時00分 公開

仙台の「旅する支社」で見えて来た、面白法人カヤックのオフィスの在り方と働き方脱ガンジガラメの働き方(2/3 ページ)

[まつもとあつし,Business Media 誠]

――仙台支社で苦労されたことはありますか?

藤川 震災から約2ヶ月後に仙台に入ったのですが、間借りと移動を繰り返しながらだったので、なかなか生産性が上がりませんでした。間借りした会社さんではとても歓迎してくれたので、有り難かったですし、コミュニケーションも深まったので良かったのですが。

 そこで、約2カ月だけ借りることができるオフィス物件を見つけて、そこに支社を置くことになりました。そこに人を呼んで開発を行ったり、勉強会をやったり……。3カ月というのはかなり短期なのですが、オフィスとして利用できるとことが見つかり仙台支社という形で設置できました。

――震災から間もないこともあり、関東からそうやって会社や仕事がやってくることはきっと喜ばれた面も大きかったでしょうね。ところで、地方と東京の技術スキルのギャップというのはあったのでしょうか?

松原 そのためにエンジニアも1人、仙台に連れて行っていました。鎌倉にいるデザイナーや現地の開発者とのコミュニケーションの橋渡し役になってもらったわけです。鎌倉から遠隔で仙台に発注して終わり、だったらここまでの拡がりは出てこなかったと思いますね。実際に顔を見ながら一緒に働く、というカヤックが大事にしていることにも通じるものがあります。

――発注して終わりではない、と。場所を動いて仕事をするというこれまでの「旅する支社」のノウハウと、カヤックの働き方のスタイルが掛け合わさっていますね。

計画停電を避け設立した京都オフィス

松原 京都に支社を作ろうという話は震災から1週間後には決まっていました。計画停電の影響を避けようということで、役員にも知り合いなどに当たってもらって。ちょうど関西出張の予定が入っていた代表(柳澤大輔代表取締役CEO)にも候補物件を見てもらい、その場で決めてきたという形です。

――関西の中でも京都に決めた理由は?

藤川 ここ(鎌倉)や恵比寿もそうなんですが、いわゆるオフィス街ではない、ちょっとユニークなところで仕事をする、というスタンスは保持しようということですね。京都の物件も希望より若干大きかったのですが、リノベーションを施したとてもよい空間だったので即決でした。


鎌倉(左)と恵比寿(右)オフィスの風景

――もともとカヤックは、コロケーション(プロジェクトメンバーが1カ所に集まって仕事をする)によって生産性や創造力を高めようという意識を持っている会社だと思います。よって仙台支社と違って、京都にスタッフを分散するというのは、今までにない取り組みになったわけですね? 自宅作業にしようといったようなことは考えなかったのでしょうか?

藤川 極力それはしないように考えていたのですが、震災直後2〜3日はやむを得なかったですね。電車が動かなかったりもしましたから。もともと関西にも拠点を持ちたいと考えていたので、京都の方は少し長めに1〜2年使用する前提で物件を探しました。

――どういう人々が京都支社で働いているのでしょう?

松原 希望者を募って面談をしました。ただ希望を出せば行ける訳ではなく、それは聞きつつ京都オフィスでの業務内容とスキルを照らし合わせてという感じではありましたが。

――カヤックは「営業」という肩書を持った社員が居ないことでも有名ですが、新しい土地である京都オフィスではどのように仕事を獲得したのでしょうか?

藤川 いろいろなところに積極的に顔を出す、例えば広告代理店さんを訪問したり、クリエイティブ系の集まりに参加したり。関西では商慣習が違うことはもちろん、クライアントも比較的大手が中心で求められる質が異なっていたり、といったことを学びながらですね。

遠隔地のオフィスとのやりとりにはテレビ会議システムを使っている

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